|
見た目より味で勝負的料理の数々 |
31ユーロ
メニュー見る限りトラディショナルなビストロ料理が並ぶ。前菜、メイン、デザートからそれぞれ一品選び31ユーロ。かなりお手軽な値段になっている。30ユーロ前後の値段がパリのお気軽系ビストロの平均的な値段なのだろうか。そういった場合、チーズや食後のコーヒーなどは値段に含まれていない。また約19.6%のTVA(付加価値税)やいくらかのサービス料はすべて含まれて表記されているのでとてもわかりやすい。
|
フレンドリーなサービスはとても気持ちのいいもの |
サービスのスタッフに日本語を話す人がいて、これもカスタマーサービスの一環なのだろうか。メニューもたどたどしいながら丁寧な説明をうけることができる。まあ、ここはフランスなので彼らが思っているほど日本語の必要性は感じていないのだが、なるべくであれば日本語はあまり聞きたくはない。(しかしサービスの若い方は写真の通りかっこいい!!)
前菜はブーダンノワールのパイ包みを。このパイ生地の香ばしい風味に思わず頬が緩む。パイ自体のサクッとした食感も素晴らしいのだが、ブーンノワールを包んだときの絡まりあいは、まさに食べることに集中できる至福のひと時。思ったほどしつこくなかったのも幸いして一気に平らげた。ワインはサントネイの白ワインを。ややぬるめの温度のせいか、シャルドネの味わいはしっかりだ。ほんのりと残る内臓の後味をするりと流してくれる瞬間は例えようもない。
|
しっかりとした味わいに食べ応えは十分 |
メインはラパンのローストを。これまた写真のとおりボリュームたっぷりのコテコテビストロ料理。バターソースばりばりで、かなり濃い。ワインがないと苦しい。しかし肉は厚く、食べ応えは十分だ。これくらいぐいぐいと食べられないと「フランスに飯喰いに来た!!」などとは言えない。日本と比べると、という言い方もどうかとは思うが、全体的に皿に盛られた料理は幾分粗いような気がする。見た目も雑然としてどっかーんと盛り付けている印象だ。しかし、素材が圧倒的に旨い。野菜は茹ですぎと思えるほど茹でてあるのが、そうであっても味はしっかり残り、そしてソースにも溶け込んでもいる。肉は明らかに身が締まっている。柔らかではないが、その分噛めば味が染みてくるし、後味の余韻も長いのだ。
|
甘みが十分に染み込んだ大人の味わい |
厨房も覗いたが、雑然さはまったくなく、多くの料理人が機能的に動く姿が垣間見えたが、ランチと夜は2回転という超人気ビストロを支えるバックヤードの迫力にしばし呆然。気がつくともう12時を回っている。「そろそろ閉店なので。。。」というところがないのが日本と違うところ。パリの地下鉄は遅くまで走っているのと、だいたいにおいて近くに住んでいるゲストが多いので歩いて帰ることができるのだ。そう思うと東京はとても広いことがわかる。
■L’EPI DUPIN
11 rue DUPIN 75006 Paris
01-42-22-64-56
lepidupin@wanadoo.fr
Metro:Sevres Babylone
ミシュラン1つフォーク BibGourman続く(次号は4月21日頃UP予定です)
第一話に戻る