フレンチ/東京のレストラン

これからが本領発揮か、三ツ星の実力店! サンス・エ・サヴール(丸ビル)(2ページ目)

5感で味わう品格溢れる料理の数々。夜景も楽しめるが料理とサービスだけでもしっかりと満足感を得られる。開店して2年が過ぎ、じっくりと落ち着いてきたことも嬉しい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

長く語り合いたい一皿の思い出

フレンチ
上品な味わいの協奏曲といったところか
ラングスティーヌのポワレ、地鶏胸肉と根セロリのサラダ仕立て
夏を意識した軽めの前菜だ。ラングスティーヌの身の締まりはナイフを入れただけでしっかりと実感できる。ハチミツの味わいをほのかに漂わせ、その奥にミントも隠すという手の込んだ一皿だ。

サンス・エ・サヴール
未だに忘れられない一皿
鴨のフォアグラとセップ茸のラヴィオリ仕立て
この皿は「おかわり!」だ。喰意地を張ってもう3皿位欲しいといったら出してくれるだろうか。サマートリュフのブイヨンカプチーノの味わいはまったりとしていて、食後は長い余韻を残す。久しぶりにひとつの料理に感動を覚えた。私は珍しく興奮し、そのスープと共に一晩過ごしたいと思ったくらいだ。長く語り合いたい思い出に残る料理の一つ。

写真のタイトル
単純に旨さが伝わるメインディッシュ
近江牛のサーロイン、ジャガイモとフランス産キノコのガレットにオニオンコンフィ
牛肉の柔らかさとガレットのカリッとした食感が同時に楽しめる逸品。やや軽めのソースは熟成感が感じられるブルゴーニュワインにぴったりだ。アイデア溢れる前菜に比べるとオーソドックスな感もないわけではないが、メインディッシュは例えると変化球ではなく直球を思い切り振り切りたい。その意味で近江牛の旨さを実感できるこの一皿にしっかりと納得。

写真はないが(ちょっとボケてしまっているのです、すみません)デザートもワクワクするものが2つ。可愛らしさと上品さが同居したプティフールまでストーリー性があり、ゆっくりと過ぎてゆく時間に寄り添う。

全体的には灼熱地獄の東京を意識してか、軽めの印象。素材を吟味し、そこに創意工夫のあとが随所に感じられ、メリハリを効かせた上で見事なストーリーとなっている。フランス最高の料理パフォーマンスを東京でも実現したいと言う平松氏と、遥かフランスにいるプルセル兄弟の熱い気持ちが込められているメニューではなかろうか。

ひらまつ
若手サービススタッフは思ったよりフレンドリー
最後になったがソムリエの上原氏のちょっとしたコメントや、サービス陣のもてなしの気持ちもその日の蒼く深い空の色に負けることなく、印象深いものであった。

自腹で出掛けるにはそこそこ値段は張るレストラン。しかし、強く誘われなければ訪れることはなかったが、私はとても楽しい時間を過ごすことができた。
時折顔を出すやっかいな先入観と言うやつは、たまには捨て去るべきだと少し反省。

ちょうどこの記事がアップされる頃プルセル兄弟が来日し、40000円で豪華ディナーのイベントがある。詳しくはこちらに

写真のタイトル
長谷川シェフはまだまだ成長するだろう
サンス・エ・サヴール
東京都千代田区丸の内2-4-1
丸の内ビルディング 35F
TEL: 03-5220-2701
Lunch 11:00-14:00 (L.O)
Dinner 18:00-21:30 (L.O)
無休
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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