紅茶の葉、銀の食器、味わい深いジャムやスコーン、ケーキ、そしてそれをサービスするホステス、給仕にあたりバトラー。その周りを彩るテーブルウエア。食を楽しむための「様式美」がすべて揃ったとき優雅な時間がゆっくりと流れだす。
なお、保存に関しては紅茶の場合、缶で一年程度は持つそうだ。ただし湿度には要注意。また作法も英国式、フランス式といろいろあるようだ。2時間で理解できたことは入れ方の基本、そしてファーストフラッシュの魅惑的な香りと味わい。これだけでも教えを請うた価値は十分すぎるほど。
フレンチの最後はコーヒーか紅茶かハーブティーで幕を閉じる。コーヒーはどこでもいつでも日常の中にあるといっていい。ハーブティーはさすがにフレッシュなものは一部のレストランを除きほとんどないといってもいいだろう。紅茶はどうか?入れ方一つで最後にゲストのハートをきっと掴むに違いない。丁寧に紅茶を入れてくれるレストランが増えてくれることに期待したい。
今回のレクチャーでは技術的なことだけではなく、大切なゲストをおもてなしする気持ち、そして紅茶を通して一緒に過ごす時間を楽しむ気持ちを大切にするということをしっかりと再確認させてくれる。
時折私たちは目の前にある美しいもの、美味しいものばかりに目がいき、その本質にしばしば気がつかないことがある。紅茶という奥行きある飲物を通して、その周りにある美しいもの、時間、優雅になれる気持ち、おもてなしの心。本当に大切なことが何なのか改めて気付くのである。
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