いつだったか忘れたが、親戚宅でたいへん上品な香りを持つ紅茶をいただいたことがあった。それまで紅茶と言えばトワイニングとメイソン、そして日東紅茶しか知らなかったのだが、その時の紅茶は「マリアージュ・フレール」。パリの街角にひっそりと息づく歴史ある紅茶メゾンだ。記憶に残る紅茶初体験かもしれない。
かつてパリの街を歩いていたとき、その本店をふと見つけてしまったことから、マリアージュ・フレールとの付合いが始まりまった。とはいっても自己流で時折楽しむのみ。
**マリアージュ・フレール**
「17世紀よりビジネスの礎を築き、1854年に「マリアージュ・フレールとして設立。より高い品質と洗練された物を追求し、お茶の専門店として最高の物を創り上げています。 世界各国に受け入れられ、450種類以上、32ヶ国に及ぶ茶園の銘茶と、茶葉の特性を生かしたブレンドで有名。」
しかし紅茶はコーヒー以上にデリケートな飲物で、美味しく入れるには日本茶や中国茶と同様、技術が必要だ。
そこで英国のティーマナーインストラクターのディプロマを持つ木村美千代先生のティーサロンで紅茶の入れ方、マナーなどをご教授いただくことになった。イギリス式・日本式の文化、マナーの違いなどを説明いただきつつ、フランス流のやり方も交えながらの講義&実践だ。ただし奥の深い紅茶の深遠な世界を2時間で理解できるはずもないが、私なりに感じたことをお届けしたい。
円形テーブルにセットされた上品なカトラリーの数々。彩を添える花。ここはパリの邸宅か?!と思えるほど優雅な空間がある。たとえここに紅茶がなかったとしても、寛ぎのためのエッセンスがほんとりと漂う。