しかし、である。リード・ヴォーの食感を残したままこのレストランをでたあと、
「ここがロブション氏のレストランと知らずに来るだろうか?」
「予約を取らないのはいかがなものか?」
そんな中、カウンターの中にいるサービスのスタッフはこう語る。「このようなスタイルはまだ初めてなので、いろいろと試行錯誤しながらやっていこうと思っています。」 そして、恵比寿のタイユヴァンとは違うんですか?という嫌な質問にも「経営母体がまったく違います。パンも独自に焼いていますし、経営はピザ-ラがやっているんです」と自信に満ちた答えが返ってきた。まだ若い彼の言葉にとても好感を持った。
あと半年位経ち、六本木ヒルズが東京に溶け込む頃、ワイン一杯と斬新なメインディッシュとともに、ロブション氏が望むコンビビアリテを楽しみながら、軽く酔いたいものだ。
フレンチ=予約が必要と私も固定観念があるが、満席なら窓際に立席を作ってもらえば、私はそこでも言いとさえ思うかも知れない。そうなれば、フレンチを愛する一人として、今ひとつだったリードヴォーは、今日は許してあげよう。
■ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション
住所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド2F
電話:03-5772-7500
ランチは11時より、ディナーは18時より順次案内される。平均して平日は1時間程度、休日は2時間程度並ぶ。サービス料はない。レジの明細には食べたメニューが印字される。
隣にボランジェリーとパッティスリーが併設されている。その詳細はパンガイド清水さんのサイトをぜひご覧いただきたい。