★この世のものとは思えないトスカーナ産豚の柔らかいサラミ
次の魚料理までが少し時間がかかるということで現れたのが、ちょっと大き目のサラミ。ところがとこがこのサラミ、柔らかくかつ味がしみてくる。当然日本では一般には売ってはいないもの。本当においしい食材は極めて狭い世界に集まってくるもののようだ。
★淡路島天然鯛の丸ごと岩塩包み焼き、オリ-ブオイルとともに。
50センチはある天然の鯛。調理前の姿は、誰が見ても究極のおいしさを感じずにはいられない逸品。その大鯛がバターの香りする塩に包まれて生まれ変わる。その全身の白身がそのまま皿に盛られ、あとはオリーブオイルのみ。やや脂の乗った鯛の旨みのみがその場に漂うひととき。ワインは以外にもポマールの赤だった。
■ポマール グランゼプノ1990 アルマン・ジラルダン
1時間前に抜栓されたその薫り高いブルゴーニュワインはとても綺麗な逸品。脂の乗った白身にそれはそれはぴったりと寄り添う。スミレの香りが顔を出し、香りはいつまでも漂う、これまた入手困難なワイン。さあ、そろそろ登場か、野生の味覚。
★蝦夷鹿のロースト 丹波の栗と隠された白トリュフ
ナイフを入れるとにじみ出るジューと鹿肉ワインの見事なマリアージュ。歯ごたえあるその食感。自然の恵みがこのような形に姿を変えて味わえることに感謝しなくてはいけないとは、尊敬するコートドールの斉須シェフのお言葉。まさにそのとおり。
★モンブランとショコラ
これまた最後を飾るには、さりげなくも素晴らしくもデザート。最後は甘い世界に浸りきりたくなるこの気持ち。もうすこしあればいいのになあ、なんて思っていると、
■カルヴァドスとアルマニャック
の香りでノックアウト。いつまで経っても香りが落ちない素晴らしい食後酒のグラスをゆらゆらと回しているうちに気がつくと、時計の針はもうすでに12時を回る。
これだけ食べて飲んで4人で9万5000円。また来週行かなきゃ。
いつでもいけるカジュアルなフレンチ、ちょっと豪華にお洒落して出かけるところ、周到に計画し美食を楽しむ凝りに凝った食事会。これだからフレンチはやめられない。
「エスペランス(西麻布)」
以前「メディアに出ないレストラン」に書きましたが、
・どこにあるんだ?
・会員制か?
・ほんとにうまいのか?
といった問合せが多いため再度食事とワインに絞って書かせていただきました。詳細はこちらに。
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