できたばかりのレストランは気持がいいですよね、店内は花が満ち溢れ、調理場もスタッフもこれから着実にこのお店を盛り上げていこうと気概に満ちています。最近は丸ビルを筆頭に新しいオフィスゾーンに、フレンチがどんどんできていますが、非日常性を余り感じられないビル内レストラン、略して「ビルレス」はどうも、気が乗らないのです。。。ちょっと物寂しげなところに明るい灯がともる、そんなレストランがいいなあ。
乃木坂駅から赤坂へ向かう通り沿いにあるこの「シュマン」もそんなところ。この9月に開店したばかりの新しいレストランです。
オーナーの柴田氏は原宿のアンフォール、西麻布のザ・ジョージアンクラブを経て独立。ブルゴーニュはジブリー・シャンベルタン村の名店ル・ミレジムで働いたキャリアも持つなかなかの人物です。まだ30台前半の若さながら店を構えるとはたいへんなものです。ただし数多いソムリエの中でも非常にクール、ちょっと表現を変えると「とってもキザ」。キザって漢字で書くと「気障」ですが、そういえば最近はこの言葉はあまり使いませんね。個人的な印象的ですが、ソムリエってちょっと柔らかめいい男というイメージなのですが(例えばインターコンチの渋谷ソムリエとか)彼は全くの正反対。
そう、本人には怒られるかもしれないけど、背も高くとってもかっこいいキザなソムリエなのです。そうなると私は彼から受ける料理の説明、ワインのお話、そして一つ一つの仕草が気になって仕方がなくなります。
料理は4800円のコースから数種類ありますが、メニューを見る限りまずはオーソドックスな料理から始めて慣らしていこうという意図が感じられます。まだ冒険するのは早いぞ、と。この姿勢は非常にいいと思うな。できることからしっかりやる、結構簡単そうで難しいはずです。
小さなカウンターからは厨房が覗けます。先日仕事帰りにカウンターでワインとチーズだけいただいてきたのですが、厨房の中の小気味良い動きを見ているのはとても楽しいものです。近くの席には、多分まだ結婚したばかりの若いカップル、向こうには年配のご家族、その手前には外国人のカップル。それぞれの方が、チーズをサービスしている永嶋さんの説明に聞き入っています。永嶋さんはまだちょっとぎこちないところもあるけれど、このレストランと供にゆっくりと大きく成長していくでしょう。もう一人のサービスは野村さん。可愛らしいと言っては失礼かもしれないけれど、そのサービスと表情はきっとゲストを和ませるでしょう。お店のスタッフはここに全員集合です。
さてさて、そのワインリストは?