たっぷり遊んでクリアさせるコンシューマーゲームNewスーパーマリオブラザーズWiiは昔ながらの横スクロールアクションゲームですが、みんなでワイワイ遊ぶことによって、上手な人でも下手な人でも楽しめるゲームになっています。ファミコンが大ヒットして、スーパーファミコンが登場し、少しずつゲームのビジネスの舞台の中心がコンシューマーに移動してくると、ゲームの中身も変化が訪れます。それまで、1回100円だったゲームが、今度はソフトを自分の所有物にできて、そのかわりソフトを買うのに5,000円とか、6,000円払ってくださいねと、そういう商売になりました。こうなると、プレイヤーをとにかく叩きのめして何度も何度も挑戦させるというゲーム性は、徐々にその役目を失っていきます。代わりに、1度買えばじっくり長く楽しめて、かつ、それ程ゲームが上手な人でなくてもクリアできるゲームの方が、安心して買える商品として評価が高くなります。ドラゴンクエストシリーズの大ヒットとファイナルファンタジーシリーズの追随によってRPGというジャンルが大きな存在感を示すようになり、アクションやシューティングでも、難易度調整、コンテニュー、面セレクトといった家庭用ならではの仕組みが取り入れられていきます。そしてこの初心者でもプレイできる工夫というのは、今や多くのゲームで取り組まれていることです。2009年12月3日に任天堂から発売されたNewスーパーマリオブラザーズWiiはその最たるものと言えるかもしれません。ファミコンの頃からの横スクロールアクションに最大4人の同時プレイを取り込むことで、上手な人が下手な人を助け、1人がやられても他のみんなでフォローしながら楽しめる仕組みです。まさに、コンシューマーに最適化されたアクションゲームと言えるでしょう。【関連記事】ミスさえ楽しい、NewマリオWii(AllAboutゲーム業界ニュース)習慣にさせるソーシャルゲームmixiで人気のサンシャイン牧場。無料で遊べますが、Kコインというゲーム内通貨を購入することで、特別な作物やアイテムなどを手に入れることもできます。さて、現在ではコンシューマーゲーム以外にも、新しいビジネスモデルを持ったゲームが登場しています。その1つがソーシャルゲームです。Greeやモバゲータウン、mixiアプリなどが有名で、基本無料で遊ぶことができます。ソーシャルゲームの収入源は主に2つ、有料課金と広告です。基本は無料なんですが、ゲームを有利にすすめるアイテムが有料だったり、あるいは企業のアンケートや会員登録などをすることで貰える、というような仕組みですね。こういうビジネスモデルでは、とにかくお金を払う人も払わない人もまず多くの人に遊んでもらうことがとても大事になります。自分が遊んでいるゲームは、友達も遊んでいて、毎日30分とか、短い時間でも起動させて、少しずつ変化が起こる。そんな中で、ちょっと友達に差をつけたい、自分のアバターに好みの服を着せたり、お部屋をカッコよく飾ったりしたい、そんな風に思った時に有料課金に手が伸びる人がいる、という構造です。【関連記事】喫茶店はお茶屋さんを駆逐するか(AllAboutゲーム業界ニュース)ここには、クリアとか、攻略、というコンシューマーゲームの文化とは大きな断絶があります。みんなほとんどおんなじだけど、少しだけ違いがあって、それをより顕著にする為に有料課金という方法が用意されています。よって、ゲーム自体も攻略がほぼ不可能、プレイヤーが工夫しても結果に劇的な変化が訪れない、というゲームが多くなります。コンシューマーゲームに慣れている人からすると、それを指してゲーム性に乏しい、と思うかもしれませんが、同じゲームをツールにしていてもビジネスの構造の違いで全く別の価値観が生まれる例と言えるかもしれません。最後に、コンシューマーゲーム業界でもここ数年推し進められているオンラインによるダウンロード販売について、お話してみたいと思います。このことも同じように、ゲームの中身に大きな影響を与えていく可能性があります。前のページへ123次のページへ