ゲームを作ろうとしているのではなくて、ゲームを売ろうとしている

ゲーム開発者の図
ゲームが作られる背景には、ものづくりの視点と、もの売りの視点があるんですね。
ゲームメーカーにはいわゆるゲームクリエイターと呼ばれるような人達がいて、今度はこんな面白い遊びはどうだろうなどと、日夜ゲームを開発しています。この人達は、1つには面白いゲームを作ろうとしていますが、ゲームメーカーの企業活動を考えた場合に、もう1つ大きな力点があります。面白いゲームを売ろう、というポイントです。

実はこの、売る、という視点で見たとき、ゲームの中身そのものがゲームのビジネスと直結していることが分かります。今回は、ゲームがビジネスの変容とともに、その中身にどんな影響を受けてきたか、そしてこれから新しいゲームビジネスのスタイルが広がっていった時にゲームコンテンツがどう変わっていくのか、考えてみたいと思います。

すぐに終わるゲームが多かったアーケードゲーム

魔界村の図
魔界村の赤い悪魔レッドアリーマー。1面で登場するこの凶悪な敵キャラの前に挫折したプレイヤーも数多くいるのではないでしょうか。
さて、今でこそ下火になってきたアーケードですが、かつてはアーケードゲームこそがゲームの王様という時代がありました。新しいゲームはアーケードで生まれ、ファミコンなどの家庭用ゲーム機へもアーケードゲームの移植がヒットを飛ばしました。その頃のゲームは、端的にいって今よりも難しいものが多かったように思います。

最近のゲームも、昔より随分難しくなったと言われることがありますが、これはもう少し正確にいうなら、昔よりも複雑になったと表現するのが妥当でしょう。そういう難しさではなくて、操作はシンプルなんだけれども、難易度が高かったんですね。なぜかと言えば、ゲームセンターでは1回100円とか、50円というお金を払ってもらって遊んで貰うからです。単純な話、簡単にクリアできて100円でずーっと遊ばれるゲームでは困るわけです。

いかに、コインを投入してもらう機会を作るか、これがアーケードゲームの肝で、そこから設計されると、難易度が高くなったり、あるいは対戦で勝った方だけ続けてプレイできるシステムなんかが生まれます。ファミコンの時代には、アーケードの影響で非常にシビアなアクションゲームなんかもたくさんありました。アーケードで人気を博し、ファミコンにも移植されたカプコンの魔界村なんていい例ですね。自分の立ってる真下からゾンビが湧いてきたり、とても初めてでは見切れないスピードで滑空してくる悪魔がいたり、1面から大変な難易度でした。

こういう、プレイヤーをやっつけるゲーム性が、ゲームビジネスの形が変化していくとともに、プレイヤーに遊ばせるゲームに変わっていきます。