意識的にゲームスタイルを作った任天堂
ゲームの細かい内容よりも、ゲームを楽しむ雰囲気そのものを重視したCMが見事にあたりました。 |
WiiはWiiスポーツという、誰でも簡単にできるスポーツゲームを戦略的タイトルに位置付け、CMでは家族と、恋人と、おじいちゃんと、みんなが一緒にゲームをしている姿をこれでもか、というぐらい流しました。キャッチコピーには「Wiiのある新しい生活」ですから、まさしくゲームスタイルの提案ですね。
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実はこれはWiiにはじまったことではありません。ニンテンドー64で発売されたゼルダの伝説 時のオカリナ(以下時のオカリナ)のCMでも、ゲームスタイルを提案するCMが流れていました。ただし、この時はWiiスポーツのようなコミュニケーションツールとしてのゲームハードの提案ではなく、暗い部屋で1人でじっくりとやるようなCMでした。ああっ! くやしい! と言いつつ、もう1回! ともう一度コントローラーを握りしめるCMです。この頃はこのCMで時のオカリナは100万本を超える大ヒットとなりました。任天堂は自ら、ゲームスタイルを180度逆転させて、またもや大ヒットさせたわけです。
日本にあったゲームスタイルを提案できなかったXbox360
据え置きでじっくりゲームを遊ぶのであれば、実はXbox360が今1番充実しているかもしれません。しかし、そのスタイルを広く提案しきれていないのが現状 |
特に、洋ゲーと呼ばれる海外メーカーの複雑に作りこまれたソフトが豊富にあり、さらにXboxLiveというオンラインのシステムを使いこなすことで、オンラインで繋がる実に奥深い、次世代ゲームと呼ぶに相応しい遊びを実現しています。また、ハイビジョンの精細なグラフィックがそのゲーム体験をさらにリッチなものにしています。
しかし、このスタイルは北米市場を睨んでのものなんですね。日本でにおいて、ハイビジョンのテレビで、オンラインに繋いでもらって、しかも複雑なゲームをしてもらうというのは、あまりに敷居が高いというのが現状です。それがそのままマーケットが小さくなっている原因になってしまっているようにも感じます。日本人にあった、尚且つXbox360らしいゲームスタイルの確立というものが、未だにできていないわけです。
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ただ面白いゲーム、凄いゲーム、新しいゲーム、だけではなく、どういう風に遊んでもらうかを提案することが、これからのゲーム事業には重要になってきます。