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結局PS3ってどうなってるの?(3ページ目)

2006年11月11日、鳴り物入りで発売されたPLAYSTATION3。発売日には大行列もできましたが、その後どうなったのでしょうか? 実は、どうやら今までに無い苦しい状況に陥っているようです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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看板タイトルが他機種へリリース

逃げるスライムの図
もともとドラゴンクエストシリーズは任天堂のファミコンで発売されたシリーズです。PS、PS2で発売された後、また任天堂ハードに戻った形になりますね。
PS3が悪循環に陥る予兆は、既に現れているといっていいかもしれません。既に、いくつかのメーカーにその動きがあるようにも見ることができるからです。

例えば、2006年12月12日にスクウェアエニックスは、今までPlaystation(以下PS)やPS2でリリースしてきたドラゴンクエストシリーズの本編をニンテンドーDS(以下DS)で発売することを決定しました。ドラゴンクエストと言えばPSやPS2を支えてきた最も有名なゲームタイトルの1つです。しかし、次のシリーズ本編はプレイステーションシリーズ最新機種のPS3ではなく、現在最も人気が有り、圧倒的に普及しているDSにプラットフォームを選択しました。

また、2007年3月20日、カプコンはそれまでPS2のみで展開し、次世代機でもPS3に独占供給されると思われていたデビルメイクライをXbox360にもリリースすることを発表しました。Xbox360は国内ではWii、PS3に注ぐ番手に甘んじていますが、全世界で見れば1年先行して発売していることもあり、トップシェアを獲得しています。そういう状況の中、PS3への独占供給ではなく、Xbox360にもソフトをリリースするマルチプラットフォーム展開をし、リスクを避ける形をとったことになります。

今までプレイステーションシリーズに独占的に供給されてきたタイトルが他機種に移動したり、マルチ展開を開始するのは、その影響力が弱まっていることを示唆していると言えます。果たしてPS3はこの状況を打開できるのでしょうか。

PS3が好循環を生み出すには?

PS、PS2と10年に渡ってソフトを集めユーザーを獲得する好循環を作り、市場を握っていたプレイステーションシリーズではありますが、今まさにそれが逆転し、悪循環に陥る一歩手前まできてしまっているような感じさえ漂ってきています。

PS3はスタートに失敗し、好循環にのれませんでした。結果、発売から5ヶ月たった2007年4月現在で、約80万台の販売にとどまっている状況です。PS2は発売3日後に60万台を販売、さらにその時点でPS.comの予約分が38万台あり、あっという間に100万台をさばき、さらに4ヶ月後には200万台の販売を達成しています。5ヶ月で80万台という数字がPS3にとって如何に少ないか、お分かりいただけると思います。発売時につまずいて招いたこの状況を打ち破る為には、いったいどうしたらいいのでしょうか?

私は、スタートにつまずいたのであれば、スタートをもう一度やり直す必要があるのではないかと思っています。つまり、再スタートを切るということです。ゴールデンウィークや夏のボーナス商戦などの時期を狙い、ソフトラインナップを揃え、サービスを充実させ、可能なら価格を見直し、プロモーションを集中させて話題づくりをもう一度して、今度こそいいスタートを切る、今のPS3にはそれぐらい、大掛かりでダイナミックな戦略が必要なように思います。

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