ジョギング・マラソン/健康とジョギング・マラソン

超スロージョグがシニアライフを豊かに

寝たきりを防ぐ、風邪に強くなる超スロージョギング。ジョガーの健康保険料は下げてもいいのでは? 前回、前々回に紹介した健康効果と併せて、健康へのランニング効果をまとめました。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

全国OB駅伝のスタート。第1区男子は全員65歳以上。この元気をあなたも
全国OB駅伝のスタート。第1区男子は全員65歳以上。この元気をあなたも
NHK『ためしてガッテン』で話題になった超スロージョグ。テレビで紹介されたこと以外にも体によいことが数々あります。「超スロージョグが解決する日本の重要課題」、「超スローでも体にこんなにいいランニング」と効能を数々あげてきましたが、まだまだあげたりません。過去2回とりあげた効果は以下の通りでした。

・ダイエット効果
・ぼけ予防
・うつの予防・改善
・血液循環の改善(高血圧の改善、乾燥肌が治るなど)
・血糖値の低下(脂肪代謝機能の改善)
・尿酸値の低下(痛風の改善、予防)
・便秘の改善
・精神分野での多くの効果(積極的になるとか、感情の抑制力がつくとか)

その他に体にとってどのような効能があるのか列挙しましょう。

骨粗鬆症の予防、寝たきりの予防

骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり骨折しやすくなります。特に女性の場合は、出産で胎児にカルシウムを奪われることと、加齢に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下によって骨粗鬆症になりやすいという条件があります。骨粗鬆症を防ぐには、カルシウムを溜め込んでおくために、若いときから積極的にカルシウムを摂取することが大事ですが、同時に適度な運動が骨に刺激を与えて骨粗鬆症の予防効果があるとされています。

超高齢化社会は多大な医療費と介護費用が必要であることが大きな問題。この費用のうちの多くの部分が寝たきりの医療・介護費用です。女性の寝たきり原因の1位は骨折(治りにくく、日常生活に支障が多い大腿骨や骨盤の骨折)、男性の寝たきり原因の1位は脳の血液循環障害である脳卒中による運動障害や認知障害。また、寝たきりは仮性痴呆症の原因にもなっています。

つまり超スロージョギングは、女性の骨粗鬆症、男性の脳卒中という重大な寝たきり原因の予防に効果を発揮し、国家予算を圧迫する医療・介護費用の減少に大いに貢献すると考えられます。

今や地方自治体はエリートアスリートの育成よりも生涯スポーツの振興に力を入れていますが、国としてももっと超スローランニングの普及に力を入れるべきではないかと思います。
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