「誰にでもベスト」はない

ゲルエクセル2-ワイド(アシックス 10290円)
ゲルエクセル2-ワイド(アシックス 10290円)柄の割に軽量。足入れや屈曲性も良い。価格も手ごろで、初心者の最初の一足として誰でも十分満足できそうだ
なぜ、「万人にとってのベストになり得ないのか」という理由です。

今回は初心者向けという点と、用意されたシューズがすべてユニセックスないし男性向けだったので、対象は「男性初心者」とある程度絞られています。しかし、男性初心者とひとくちに言ってもさまざまな人がいます。メタボ対策のため、体力維持のため、他のスポーツの日常トレーニングとして、これといった自発的動機はなく仲間に誘われたから等々。ランニングを始められた年齢も、それまでに行ってきた運動も、体力レベルもさまざまでしょう。

このように走り始める人の条件が異なると、その人にとっておすすめできるシューズは当然異なります。

例えば、がっちりした体格の人にとっては満点のシューズでも、華奢な体格の方には低得点のシューズであることが考えられます。目的別に特性を評価しなければ本当のおすすめにはなりません。

コストパフォーマンスの尺度とは

M771(ニューバランスジャパン 9975円)
M771(ニューバランスジャパン 9975円)は激戦区のミドル級のモデル。安定性に優れる。価格は10000円を切る安さ
コストパフォーマンスの採点も実は困難な作業です。すでに述べたように、その人によって適するシューズの性能は異なるということが最大の理由。もう一つは、コストパフォーマンスを何を持って計量するのかという問題です。

ジョギングシューズを月間150km履くとして、フォームが良ければ10ヶ月ぐらいは持つでしょう。1500kmです(着地フォームが悪いと3ヶ月くらいで適さなくなる場合もあります)。1回に5~12km。平均6km走るとすると250回です。あるシューズの価格が、12000円とすれば、1回当たり48円です。それと比較されるのが9000円のシューズとすると、1回36円がランニングをするためのシューズに要するコストです。12000円のシューズが9000円のシューズよりすぐれているとしても3000円の差があります。そのすぐれ度が3000円の差、1回走るに当たって12円の差に値するか否かを判定するということなのです。

12円の差なんて無視できる人もいれば、できない人もいるでしょう。しかしガイドとしては、その差が幾らにあたるのかを数値化しなければならないわけですから、これは難題です。

カテゴリー分けしてその中から選ぶ

GT2130ニューヨークスーパーワイド(アシックス 12075円)
GT2130ニューヨークスーパーワイド(アシックス 12075円)。重量級ランナーの着地時のショックを受け止める頑丈さを感じる。足の華奢なランナーにはややアッパー部ががっちりしすぎのようにも思えるが耐久性はありそう
M965(ニューバランスジャパン 12390円)
フィット感、グリップ力が良かったM965(ニューバランスジャパン 12390円)。クッションはわずかに硬め。しかし、土やアスファルトだとこのくらいのほうが走りやすい
それでも何とかベスト10をランキングしました。数値化が難しいので感覚に頼ってしまったところもありましたが。

1番は一足だけ買うとしたらどれにする?というシューズです。この中にも一般的な体格の人向けと体重のある人向けでは分けて考える必要があります。

2番目はスペアとしてもう一足買うとしたらどれにする?というシューズです。多少劣っても安いというようなシューズを選びました。それに続くのは、走るコースによってはこっちのほうがいい、というようなシューズ。例えばちょっとスピードを出したり、レースにも履きたいといった目的のシューズ。旅行に履いていって、そこでジョギングも楽しんじゃおうというときに向いたシューズ。

コストパフォーマンスのランキングには、こんな判定基準で選びました。ただ、優劣つけがたいシューズがあるので、一つのカテゴリーに一足だけというわけではありません。

そこで、こんな人にはこのシューズと的を絞って、初心者向けシューズを推薦しようと思います。ただし、これはガイド個人による評価です。日本経済新聞の評価に参加した他の9名の方の評価ではないことをお断りしておきます。