AHAR+の耐摩耗性は寿命3倍

DSトレーナーのソール
DSトレーナーのソール
ヒール部のアウトソール
ヒール部のアウトソールは3分割されている
アーチ部
アーチ部には剛性が高く軽量のTPUを使用
次にソールを見てみます。

ソールには、衝撃吸収、反発力、安定力、軽量化を目的とし、さまざまな素材が組み合わされています。黒い部分は耐磨耗性に富んで耐久力を高めているAHAR+(エーハープラス)という素材。同社の従来製品に比べて同等の軽量度、グリップ性能を保ちながら耐磨耗性が3倍にアップしているとのことで、月間走行距離が多い方などには「お得」な素材です。

ヒール部分が3つに分かれている中で外側にAHAR+を多く使用しているのは、プロネーション(ねじれ着地)でこの部分から着地するランナーが多いためでしょう。

また、最後尾の分割部分はヒールカウンター(かかと着地)を受け止めます。ここだけ分離してズレの可動域を作り、着地時の衝撃を少しでも減らそうという工夫と見受けられます。フラット着地をするランナーにはほとんど関係ないかに見える機能ですが、下り坂では、どうしても着地時の重心がかかと方向に移動するので、下り坂ではどなたにでも役立つ設計だといえるでしょう。

アーチ部には軽量で適度な剛性を持つTPU素材のトラスティックを用い、アーチ部の反発性とねじれの防止に威力を発揮しています。

30%軽量化したミッドソール素材

ソライト
SOLYTEのロゴがミッドソールの前方にプリントされている
ソール内側にもEVAを使用
ゲルエクセルはソール内側にもEVAを使用
ミッドソールの中心をなすのはSOLYTE(ソライト)という素材。ミッドソールはソールの中核で体積が大きくなりますから、ミッドソール素材の軽さはシューズの軽量化を図る上で重要です。

従来のインソール素材は、EVA(エチレンビニルアセテート)という素材でしたが、ソライトは新たに開発された超軽量の衝撃吸収素材で、一般的なEVAに比べて半分、従来の同社製高反発EVA素材(SPEVA)に比べて30%の軽量化を達成しているという注目素材です。3モデルともソライトを使用していますが、DSのミッドソールの厚さは、丁度初心者のレース用、シリアスランナーのジョグから長距離走トレーニング向きといえるでしょう。

ちなみにゲルエクセルのインナーソールを抜き出して、ソールの内側を見てみると、ヒール部から中足部の前方まで全面に使用されている白いクッションシートが見えますが、これもEVAによるシートだそうです。ゲルエクセルのクッションの良さは、ここまで徹底して作り上げているわけです。

DUOMAX
微妙にクッション材を組み合わせて最適の安定性のあるクッションを生み出すDUOMAX
中足部のあたりにDUOMAXのロゴが見えます。これは、硬度の異なる2種類のEVA(もしくはSOLYTEなど)ミッドソールを組み合わせて、安定性などを向上させる構造です。単一の素材名というわけではありません。このほか、発泡素材やゲル状の素材など何種類かの素材が複雑に組み合わさっています。

目を引くフェザーインナーソールの薄さ

上からゲルフェザー、DSトレーナー、ゲルエクセルのインナーソール
上からゲルフェザー、DSトレーナー、ゲルエクセルのインナーソール
3モデルのインナーソールの厚さを比べてみました。

これだけの厚みの差があります。インナーソールの厚さは、スプリング的な要素を持った素材を組みこんでいなければ、一般的には完全に衝撃吸収能力と比例関係にあります。薄いインナーソールならクッション性能は落ちるが反発力は強くなるし、厚ければ衝撃吸収力は高まるが、それだけ沈み込んでしまい反発力が削がれるわけです。

写真を見るとフェザーのインナーソールの薄さは際立ってます。これより薄くなればソールと一体化してしまうでしょう。DSとエクセルはほぼ同じくらいです。共に2層で、上層は耐磨耗性に富んでいるよう。下層が主としてクッション部といえるでしょうか。

インソールは全面に通気孔
インソールは全面に通気孔
いずれも全面に通気孔があり、足の蒸れと温度上昇を防いでいます。温かい空気は上昇するので足の下に孔が空いていても仕方がないように思われるかもしれませんが、体重を乗せたときに孔がつぶれて温められた空気を押し出し、体重が抜けたときに新鮮な空気に入れ替わるというポンプの仕組みになるわけです。

自分でアーチの調整ができる

面白いのは、ゲルフェザーには別途アーチサポートが付いていることです。アーチ部が扁平ですと、アーチ部のクッション力が少ないために着地時のショックが減衰されず、疲労が早くなります。このアーチサポートを付けることで足をアーチ状にするわけです。両面テープがついており、取り付けは簡単です。付けてみたい方は、いきなり張りつけず、まずセロハンテープなどで簡単にとめてテストをしてから貼り付けるか否かを決めればよいと思います。

上記のようにさまざまな新開発のテクノロジーが採用されていますが、スピード走行、快適走行などそれぞれの目的動作を行う機能をすべて盛りこむ設計理念をIGSとよんでいるとのこと。アシックスの英知の結晶といえるでしょう。