ジョギング・マラソン/東京マラソン徹底解説&レポート

観光と走り込みの一石二鳥「遊ラン」

走ったり歩いたりで、ひと味違った街や自然の魅力を発見。知らず知らず、楽しみながら長距離走の能力がアップする「遊ラン観行」でマラソン完走能力をつけろ。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

観光すれば、初心者でも体を長時間動かし続けられる

東京の名所巡りに欠かせない浅草
東京の名所巡りから外せない。もちろん東京マラソンのコース途上にある浅草寺雷門で一休み
例年のことながら、秋の深まりと共に一気に気温が下がり走りやすくなりました。先日夜走ったのですが、気温は17・18度くらいだったのでしょうか、とても快適でランニングハイの気分も味わいました。10月の初めの今頃が一番ランニングハイを体験しやすい季節のようです。

そんなランニングには絶好の気候ですから、ぜひ走り込んでほしいと思うのですが、何時間も走るなんて単調でどうも気が乗らない……なんていう人もいますよね。フルマラソンを完走するには長時間体を動かし続ける、という体験を何度かしてほしいんですが、5時間・6時間という長い時間を決まった周回路や往復コースでこなすというのは、確かに退屈。やれば練習にはなるのですが、修行のような気持ちで取り組むようなことになるでしょう。

そこで、もっと楽しみながら長時間体を動かし続ける方法をご紹介しましょう。その一つの方法が「遊ラン」です。「遊覧観光」ならぬ「遊ラン観行」、略して「遊ラン」です。このヒント、実は東京マラソンからいただきました。

東京マラソンへの道5 慢心で落ちない体重」「東京マラソンへの道6 通勤ランに四苦八苦 走りで変わる町の風景」で「遊ラン」を提唱してきましたが、今回は詳しくご紹介しましょう。

「観光マラソン」がメジャーマラソン大会の人気の理由

東京マラソンは、来年2008年の大会も大人気。10月初旬に抽選がありますが、今回は5倍以上の抽選です。なぜこのように人気があるのか。参加者のアンケートからわかったことは、「都心の繁華街の道路の真ん中を走れる」「東京の名所を巡れる」というものでした。都の名所巡りなら「はとバス」のほうが手っ取り早いのですが、そこを自分の足で歩くこと、ルートに足跡を残せることに大きな魅力を感じておられるのだろうと思います。

世界の人気マラソン大会を見渡しても、ロンドンマラソンやパリマラソン、ベルリンマラソンなど、みな名所巡りのコースです。

なるほど。走って観光すれば、歩く観光、車の観光とは違った体験ができる、そんなことにすぐ気が付きました。ガイドは、高校生の頃から今のようなトレイルランを意識していたわけではないですが、ハイキングに行っても下り坂は走ってしまう、上り坂もハーハーいいながら歩くという、今考えれば山岳レースと同じようなスピードで山を歩いていました。そんなに早く歩いていると、山の自然を十分に楽しめないのではないかという疑問もあるかもしれませんが、それはそれでゆっくり歩く楽しみとは違う充実感を味わえたのですね。これは、現在でも同じです。

観光地を歩かずに走ることにも、同じようなことが言えるように思います。
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