先見性と高い技術力
2001年発売の「amz(アムジー)」。飛距離性能を重視しヒット作に |
この頃からゴルフボールのスピン系、ディスタンス系というカテゴリー分けがされるようになり、今では完全に定着しています。
2002年には、「UX アロー」「UXダイヤ」という2つのボールが登場。これは、ドライバーのスピン量が多いタイプと少ないタイプに区別したもの。当時はまだドライバーのスピン量は重量視されていませんでした。最長飛距離を得るためには、最適なバックスピン量を得る必要があるのは現在では常識。「UX アロー」と「UXダイヤ」は、ドライバーのスピン量をコントロールするという発想をゴルファーの間に大きく浸透させました。時を同じくして、他のメーカーでもドライバーのスピン量を抑えるタイプのボールがラインナップされるようになります。
ボールを語る上で、忘れられないのが、ブリヂストンが2005年にアメリカ(3月)と日本(12月)で起こしたタイトリスト(=アクシネット)への特許権侵害の訴訟です。これは、タイトリストのボールが、ブリヂストンがアメリカで所有しているボールに関する特許を侵害しているというもの。訴訟は、アメリカでは2007年にタイトリストがライセンス料を支払うことで和解しました。
特許でがんじがらめになっているともいわれるゴルフボールの世界では、特許権を相互供与できるクロスラライセンス契約を結ぶことも多く、特許権の線引きも難しいともいわれます。こうした和解内容は、ブリヂストンの持つ技術の高さが世界的にも極めて高水準にあることを示しているといえるでしょう。