スチールとカーボンの選び方
スチールシャフトを装着したパター。機能上、重量が必要なパターではほとんどのモデルでスチールシャフトを採用 |
■重量
カーボンシャフトは設計の自由度が高いため様々な重さのシャフトが存在しますが、平均するとアイアン用のシャフトが60g前後です。スチールシャフトの代表格「ダイナミックゴールド」は120gを超えているので、スイングバランス(クラブを持ったときに感じる重さを表す目安。通称バランス)が同じクラブでも持った感じ、振った感じはかなり異なります。
最近では多くのメーカーから軽量スチールシャフトがラインナップされています。これらは80~100gくらいが大半。軽量といってもあくまでこれまでのスチールシャフトと比べてという意味合いなので、カーボンシャフトに比べるとそれなりの重量があります。
以上の点から、ある程度重量のあるクラブを扱えるパワーのあるゴルファーはスチールシャフト。どちらかといえば非力で軽量で扱いやすいクラブを選びたいときはカーボンシャフトを選ぶべきです。
■正確性
軽量スチールシャフトがこれほど広まった最大の理由は、スチールシャフトのメリットである正確性、特に距離の誤差の小ささが評価されたこと。スチールに比べると、カーボンシャフトはトルク(シャフトのねじれ)も大きく、インパクトの加減で飛びすぎてしまうミスが出やすくなります。アイアンは正確性が命。いつも同じ距離を打ちやすいスチールシャフトの精度の高さはゴルファーにとっても大きな魅力です。
上記のような特性のためアイアンにおけるカーボンシャフトの使用者は急激に減少しましたが、逆に言えば飛距離が伸びる可能性もあるわけで、アイアンでもある程度飛ばしたいゴルファーにはカーボンシャフトが向いています。
飛びすぎのミスはヘッドスピードの早い飛ばし屋ゴルファーに多く見られる傾向であり、ヘッドスピードのそれほど早くないゴルファーであれば神経質になる必要はないでしょう。むしろ、カーボンシャフトの軽さと大き目のトルクから生まれるスイングのゆとりを積極的に活用したいところ。一般の男性ゴルファーと同じくらいのヘッドスピードを持つ女子プロゴルファーの多くが依然としてカーボンシャフトを使用していることからも、まだまだカーボンシャフトのメリットは大きいといえそうです。