料理写真を撮るときのお役立ちテクを紹介

料理の写真をどうしたらおいしそうに撮れますか、とよく質問されます。今回はその質問へのヒントとなるポイントをご紹介したいと思います

ブログやSNSにアップすることのある写真で多いのが料理の写真。外食に行った際に撮ったり、自分で料理したものをにパチリと撮ってそれを載せているものをよく見かけます。日常でよく撮られることの多いジャンルの写真なだけに撮影方法に苦労している方も少なくないようです。そんな方へのお役に立つかもしれない撮影テク。

料理の写真をよく撮る方は必見です。


料理を美味しそうに見せるにはシズル感が必要

まず、本文を読む前に、下の二枚の写真を比較してみてください。どちらがおいしそうに見えますか?

シズル感
カツの盛り合わせの写真。下の写真と比較してみてどちらがおいしそうに見えますか?

シズル感
こちらはまた別のカツの写真です。さて比較した結果はどちらでしょうか

見方によってはどちらかに意見は分かれるかもしれませんが、上の揚げ物の写真は、一見おいしそうなんですけど、いまひとつパッとしない感じに見えないでしょうか。なんとなくベッタリした感じの印象を受けます。それと比較して、下のカツの写真は、見た瞬間にグッと食欲をそそられませんか?

この差はどこから来るのでしょうか?

この違いは「シズル感が写っているかいないかの差である」という言い方で説明ができます。ここで、多くの方は、「シズル感ってなに?」って思われているのではないでしょうか。聞いたことがある方も詳しい意味まではわからないかもしれません。

このシズル感というものが料理の写真を引き立ててくれるのです。それではこのシズル感とは、どうすれば写すことができるのかについて解説していくこととしましょう。


シズル感とは質感ともいえるもの

シズル感、一般にはあまり使わない単語です。英語のsizzleという単語から来ている言葉です。英和辞典でこの単語を引くと、「しゅーしゅーという(音)」と出ています。擬態語として使う表現です。

ここから派生して、写真を撮るときにシズル感とは広い意味で「質感をとらえる」というときに使うことがあります。

この質感が写っているかどうかが、料理など食べ物の写真のひとつの決め手となるというわけです。

では、写真に写るシズル感とはどんなものなのでしょうか。シズル感とは質感ですから、食べ物でなくてもシズル感は写ります。

まずは、食べ物以外の写真から見えるシズル感、その例をいくつか見てください。

シズル感
雨に濡れた感じが伝わる写真です。見ていて触った時の感触を想像できませんか?この濡れた感じという部分がシズル感と言えます。

シズル感
この写真のシズル感は、パン自体ではなくパンを包んでいるビニールの袋のほうです。ビニールの感触が見た目から伝わりますでしょうか


次に料理の写真にシズル感を写すためのポイントを公開します!


反射がシズル感を伝える

シズル感を撮るときはいくつか側面がありますが、わかりやすいポイントをまずをお教えしましょう。

シズル感を写真に撮って伝えるポイントのひとつは、料理の表面に出来る反射の部分を活かすことです。反射を効果的に使うことでより質感が伝わる写真になります。

一番最初のページで比較してもらった写真の大きな違いは、この反射の有り無しです。上の写真には、ほとんど反射が写っていませんでしたが、下のカツのソースにはキラリと光る反射が写っています。これだけでおいしさが何倍にもなって見る人には伝わるのです。

フラッシュを光らせて反射させるのではなく、窓から入る太陽光や室内のライトを利用します。反射する食材に光が当たっていることを確認して撮影します。レンズを向ける位置によってもこの反射は違ってきます。どの位置から撮影すると反射が被写体にできるのかを探りながら撮るのがコツです

何枚かわかりやすい写真例を見てください。

シズル感
ジャージャー麺の味噌に光る反射がおいしさを引き立てています。光がどこから入ってきているかを見極めるのがポイント

シズル感
手こね寿司は、漬け丼なので反射させないとどんより暗い食べ物に写ってしまいます。キラリと光るところにおいしさも感じるのでは?


さあ、さらにおいしく見せるシズル感を目指しましょう!


しっとり感も加えるように写すとさらにシズル感アップ!

反射をさせると言いましたが、そこだけ強調してしまうと、テカテカにライトを当てた写真になってしまいます。シズル感をうまく出すには、反射を利用しながらさらにしっとり感も写るようにすることが大事なポイントです。

反射はライトの当たり具合を探りながら撮ればいいので、まだ簡単ですが、
その次のステップのしっとり感を表現するには少し難しいかもしれません。

しっとり感を表現するには、写真に写る色や形、色味などを総合的に整えていく必要があります。撮影する料理の特色をつかんでおくことも重要なポイント。どんな色合いで見せるとおいしそうに見えるのか、それを把握しておく必要があります

いきなりパーフェクトに撮ろうとはせず、少しずつ自分が納得できるシズル感を撮れるようにトライしてみてください。

シズル感
柔らかい太陽光を利用してカップ麺の表面をほんかわ暖かい雰囲気に。フタをはがした瞬間のしっとり感を感じられるでしょうか

シズル感
広島風お好み焼きを割った瞬間の湯気が多少残りつつ、しっかり反射も写り込みアツアツ感とボリュームも感じられるシズル感ある写りに

シズル感
やさしい雰囲気が似合う料理には、落ち着いたトーンのシズル感を表現します。ペンネのしっとり感とサラダのみずみずしさも伝わるように写っています


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写真・テキスト 瀬川陣市
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