ウェット、ストリーマーで釣る
水面下を引いて釣るウェットフライやストリーマーは、ルアー釣りに通じるアクティブさが魅力。自分でフライを動かして釣るので、獲物を手にした実感も大いにあるのがこの釣りなのだ。通常、ウェットフライは水生昆虫を意識しており、ストリーマーは小魚のイミテートが主流。どちらの要素も管理釣り場では、普段捕食している対象としてではなく、アトラクター的要素、つまり興味を引かせて食べさせる感覚になる。ゾンカーはウサギの体毛を使ったフライ。水に浸かると生き物のようにフワフワと動き、トラウトにアピールしてくれる |
マーチブラウンはウェットフライの中でも中核となるスタンダードパターン。ボディーがシルバーのものと、ゴールドのものがある。両方とも持っているとベストだ |
とてもキレイなアレキサンドラは眺めているだけで楽しいフライでもある。実力も高く、これで爆釣できることも多い |
使い方だが、大型トラウトが多い釣り場ではゾンカーを中心にして組み立ててみると面白い。できれば、ホワイトやシルバーなどの明るい色と、オリーブなどの淡い色の2種類とそれぞれの大小サイズを持っていると安心だ。ゾンカーは大型フックで売られているものが多いが、12番のフック程度で作られた小型のゾンカーはヒットフライになることが多いのでオススメ。あまり売っていないかもしれないが、その場合は近くにタイイング(毛バリを自作する)をする人がいれば作ってもらおう。もちろん、ガイドのこれからの記事でもタイイングを紹介するので、そちらを参考に自分で巻いてみるのも面白いと思う。
釣り方は簡単で、キャストしたルアー釣りのようにスースーと一定のスピードで曳いてくるか、スッスッスという感じちょっとアクセントをつけてやればオッケー。曳きたい層が水面直下の場合はフローティングラインでも構わないし、深ければシンキングラインを使うとよい。その日のタナやアクションの付け方で大分釣果が変わるはずなので、いろいろと試してみてほしい。また、ラインの使い分けはこの釣り全般にいえることなので、ぜひスペアスプールを購入しておき、両方のラインを巻いておこう。
マーチブラウン、アレキサンドラはオーソドックスなフォルムのフライで、管理釣り場で使用する限りゾンカーで紹介したテクニックや考え方と同じでよい。ただ、フォルムを見てもらえれば分かるとおり、マーチブラウンはより自然の水生昆虫に近く、アレキサンドラはアトラクター要素バリバリのど派手なフライだ。この両者のコントラストを利用して、その日の活性が低ければマーチブラウン、活性が高く盛んに動くフライにアタックしてくるようであればアレキサンドラ、といった具合に使い分けてみると面白いはずだ。また、マーチブラウンにはシルバーとゴールドの2種類のボディを持つフライがある。アレキサンドラは概ねゴールドが使用されるが、できれば各色を揃えておくと釣りの幅が広がるはずだ。「ここではシルバーしか釣れない」といったように釣り場の傾向もあるので、このあたりも自分で答えを出してみるとよいだろう。
どこを狙う?
水の吐き出し口は魚の着き場になっていることが多い。こうしたポイントは見てすぐに分かるポイント。この画像をよく見ると魚が密集しているのが分かる |
池に水流を作るための装置。両脇の反転流や、流れがゆるくなる場所がポイントだ |
思い通りの戦略が見事に的中したときの手ごたえは格別なもの。なにはともあれ、みなさんも最初の一匹を目指して釣り場に通ってほしい |
例えば流れがあれば、一番流速の早い場所の脇にある反転流や、緩やかになる場所などは狙い目。こうした場所はエサが溜まりやすく、回遊してくるトラウトも多いからだ。障害物は身を隠すために最適だし、岸際は元気なトラウトがよく回遊するポイントになりやすい。こうした場所のほかに、ポンドの底に変化のある場所、例えば徐々に浅くなる「カケアガリ」はトラウトの着き場になることが多いし、底がゴツゴツしている岩礁帯や水面に出ていない障害物の周りなども魚は好んで回遊する。もっとも、こうした目に見えないポイントは通いなれないと分からないと思うので、最初は「目に見えて変化のある場所」を狙ってみるとよいだろう。
駆け足で管理釣り場の釣りを紹介したが、とりあえずここで紹介したことを覚えておけばオッケー。あとはフライを何個か購入し実際に釣りに行くだけだ。断っておくが、3種類の釣り方全部を最初からやらなくても問題はない。ルースニングからはじめて、次はドライフライ、その次からウェット、ストリーマーを少しずつ試してみるという感じでよいだろう。あせらず、最初の一匹を手にすることが目的なので、じっくりと管理釣り場の釣りを楽しんでほしい。
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