駅ホームから突き落とし事件発生!
黄色い線よりも下がって待つだけでは不安?
帰宅の途につく乗降客で混み合う電車のホームには、点字ブロックの「黄色い線」があり、整列乗車でギリギリまで人が並んでいたことでしょう。大勢の人がいる中では、何か事件が起きるとは思いにくいものです。人が多ければ目撃者も多いということから、まさか…と考える、というより何も考えていないのが当たり前かもしれません。
しかし、今回の事件のような「死刑になりたいから」と考えて行動するような人物による場合は、捕まることを前提にしているわけですから、人が少なくて警戒されてしまう状況よりは、人が多かったからこそ実行しやすい状況だったといえるかもしれません。
ホームの中ほどで待つ!
駅のホームで自分の身を守ろうとしたら、まず今回の事件のように、線路上に突き落とされる危険性を第一に考えて、ホームの端には近寄らないことです。電車がまだ来ないからと黄色い線の外側を歩いたり、ぼんやりと黄色い線のそばで電車を待つといった行動は危険です。できるだけ、ホームの中ほど、中央のあたりにいることが何よりです。また、ホームの中ほどにいても、ただボーっと立っているのではなく、さりげなく周囲を見回し、不審な人物がいないかどうかを目と耳で確認しましょう。不審者がいたら、様子を見て、状況次第ではその場から立ち去りましょう。緊急事態を知らせる駅の「SOSボタン」の位置も確認しておいたり、駅員さんのそばにいるように心がけたりすることも大切です。
要は、「誰かに突き飛ばされても線路上に落とされない位置に立つこと」が大前提です。誰かに体を押されたり突き飛ばされても、数歩、体が移動しても線路に落ちない場所ということです。また、駅のように不特定多数の人間が行き交う場所では、不審人物のいる確率も高くなると考えて、常に状況確認、周辺をよく見回すという習慣を身につけるようにしましょう。
女性や子ども、高齢者は要警戒
今回の事件被害者も高齢の女性でした。容疑者は24歳の男でしたが、体格のいい男性や若い男性を狙ってはおらず、自分よりも小柄な高齢女性を狙った点に、こうした通り魔的犯行の特徴が表れています。つまり、「自分より弱く、確実に犯行をやり遂げることの出来る相手を選んでいる」ということです。
女性でも、大柄な人で「体格がいいので、特に弱そうに思われることはない」という人もいます。老若男女問わず、「狙いやすい人が狙われやすい人」であることは間違いなく、そこに「状況」やその他の条件、たとえば通り魔が何らかの凶器などを持っている場合などの「条件」が加わって、事件が発生することになるため、誰もが自分自身を守るためには、常に「状況判断」をしていることが必要なのだといえます。