ベストセラー作家・東野圭吾の出来るまで
![]() |
女子高の教師が密室状態の更衣室で殺された。容疑者が次々に浮上し、体育祭のさなかに第2の殺人が発生する。教師の「私」が突き止めた意外な動機とは? |
東野圭吾の作風は多岐に渡っているが、デビュー直後は青春ミステリーの名手と称されることが多かった。1980年代の著者は『放課後』『卒業』『学生街の殺人』などの青春ミステリーに足場を置きつつ――さらに作風の幅を広げるべく――ユーモアミステリーや実験的な本格ミステリーを生み出していた。1990年代には本格ミステリーやサスペンス小説のほか、SF色の強い作品にも挑戦しており、1996年の『名探偵の掟』は作中の名探偵が本格ミステリーの"お約束"を揶揄するという構成で話題を呼んだ。同年に上梓された『どちらかが彼女を殺した』は最後まで犯人を明かさない(読者に推理させる)という問題作。1998年の『秘密』で一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たし、翌年には『白夜行』も大ヒットを記録。『容疑者Χの献身』は2006年度版「このミステリーがすごい!」の第1位にも選ばれている。
21世紀の東野圭吾
![]() |
若者グループに殺された娘の復讐のため、父親は犯人の1人を殺して逃走した。"追う者"と"追われる者"を描く迫真のサスペンス。 |
次のページでは『流星の絆』を御紹介します。