ピューリッツァー賞作家
マイケル・シェイボン

『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』
究極のコミックヒーロー"エスケーピスト"を生み出したサミーとジョー。戦争に翻弄された2人はそれぞれに波乱の人生を送っていく。2001年度のピューリッツァー賞受賞作。
マイケル・シェイボンは1963年にワシントンDCで生まれた。ペンシルベニア州やメリーランド州などで暮らした後――カーネギーメロン大学を経て――ピッツバーグ大学を卒業し、カリフォルニア大学アーヴァイン校で修士を取得。同校の在学中に書いたデビュー作『ピッツバーグの秘密の夏』はベストセラーとなった。1999年にO・ヘンリ賞を受賞し、2000年刊の『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』がピューリッツァー賞に選ばれたほか、ハリウッド映画の脚本家、社会問題の批評家としても活躍を続けている。

そんな著者の持ち味としては、明瞭なテーマ性とエンターテインメントを両立させた作風が挙げられるだろう。たとえば2000年に映画化された『ワンダー・ボーイズ』は、大学教授でもあるスランプ中の作家、窮地に立たされたゲイの編集者、自殺願望を持つ学生といった"大人になりきれない人々"の物語だが、彼らが直面するトラブルはむしろユーモラスに描かれている。そして『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』でコミックへのオマージュを試みた著者は、SFとミステリーの道具立てを活かした――いわばジャンル横断的な――大作にも挑んでみせた。それが『ユダヤ警官同盟』なのである。

次のページでは『ユダヤ警官同盟』を御紹介します。