ジーキル博士とハイド氏/R.L.スティヴンソン 著

■出版社:(いろんなところから文庫で出ています)
■値段(出版社に依ります)
■作品概要:
ハイドという男が起こした犯罪の示談に差し出されたのは、ジーキル博士の小切手だった。博士の友人アタスン弁護士は、これを不信に思い、博士の身辺調査を開始する。ハイドは次々と犯罪を重ねていく……。

■おすすめの理由:
本作品は「解離性人格障害(俗にいう多重人格)が軸のストーリー」と一般には認知されているようですが、実際は違います。

解離性人格障害は精神疾患であり、本作品で描かれる「人格の分離」とはまったく別の概念です。

ジーキル博士は、自身の善悪がいっしょくたになった「ジーキル」という存在と、そうでない存在が分離できたら、という願望をもっていたことがラスト近くにわかりますが、これ以上書くとネタバレになってしまうので、留めます。

漠然と多重人格がテーマの小説、と思って読み始めると、ずいぶん違った展開に驚かれるでしょう。そしてできれば、解離性人格障害への理解を深めて頂きたい、と個人的には思います。

私自身、昔は偏見がありました。しかし本作を読んだことで、きちんとした知識をもとうと思うようになり、偏見がまるっきりなくなったとは言いませんが、とにかくきっかけになったことは確かです。

※現在は「ジキル」博士と書くようですが、私が文庫を買って読んだ頃には「ジーキル」でした。この辺りは訳本という以上どうしようもないので、こだわらずに読んでいただければと思います。
※スティヴンソンの代表作には『宝島』もありますが、全然趣の異なる作品で、これが同一著者によるものなのかといぶかしく思うくらいです。よかったら『宝島』も(ミステリーではないですが)どうぞ。



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