セールスや勧誘の電話
「奥様ですか?」に答えない
日中、自宅内にいることの多い女性は、固定電話にかかってくる電話に応答することが多いはずです。身内、友人、知人からなら問題なくても、強引なセールスや勧誘の電話に対しては、うっかり出てしまうと切るに切れなくなったり、逆に不快な思いをさせられたりすることもあるのではないでしょうか。
まず、電話に名乗って出ないことが第一です。「はい、○○です」「△△でございます」
と名乗って出ることは、アトランダム=無作為にかけてきた相手にこちらの名前を教えてしまうことになるからです。相手はプロですから、すぐにメモをして、親しげに「○○さん、それでですね」と、こちらの名前を会話に盛り込んで、心理的な壁を低くされてしまいます。
また、開口一番、電話に出たのが女性と分かると、
「奥様ですか?」
と、聞いてくることがあります。それに対して、「はい、そうです」とも、「いいえ、違います」とも、本当のことを答えてはいけません。まだ相手が何者であるかも知らない内に、こちらから情報を与えてはいけないのです。そもそも、電話に「はい、もしもし」と出ただけで、こちらが「女性である」という情報を与えています。子どもが出たら子どもだと知られてしまいます。つまり、「声」も個人情報なのです。そんなときにどう答えればいいのでしょうか?
こちらの情報を与えない
相手が誰か分からない段階では、相手の質問には、一切答える必要はありません。「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
と、応じればいいのです。まずは相手を知ることが肝心です。相手が、
「○○と申しますが」
と、言えば、
「どちらの○○様でしょうか?」
「どういったご用件でしょうか?」
などと、相手のことだけを質問しましょう。
相手の素性や目的を知ってから、考えるべきです。そもそも、まともな人なら、最初に自分が何者か、用件は何かを言ってくるはずです。そうでなく、いきなり、「奥様ですか?」と、こちらのことを知ろうとする相手には警戒すべきなのです。「はい、そうです」と答えれば、夫婦者=二人以上の家庭、「いいえ、違います」と答えれば、一人暮らしかと思われるでしょう。
相手がセールスや勧誘と知れば、「けっこうです」とは答えないようにしましょう。「けっこうです」には、「それでいいです」と言ったように、了解・了承の場合と受け取られることがあるからです。不要であれば、「いりません」「分かりません」と言って電話を切るようにしましょう。
電話機の機能を活用する
今どきは、親しい間では携帯電話のメールで事前にたずねたり、メールだけで用件が済んだりするものです。つまり、固定電話にかかってくる電話には、あまり望ましいものはないと思っておいたほうが安全です。できれば、電話機の「ナンバーディスプレー」や「番号通知」の電話しか受け付けないようにして、知り合いか初めての相手か分かるようにしておくといいでしょう。常時、留守番電話にセットしておけば、それだけでも、対策になります。本当に必要であればメッセージを残しますし、親しい間柄なら、「固定電話は留守電になっているけれど、応答メッセージ越しに声をかけるか、メッセージを残してね」といえば、余計な心配をしなくてすむものです。
好ましくない相手、二度と電話をかけてもらいたくない相手なら、相手の番号を「着信拒否」にするなどして、撃退することができます。たかが電話、されど電話です。間違っても自分から個人情報を漏らすことがないように警戒しましょう。