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黒人と白人の友情 イエス・ウィ・キャン(2ページ目)

オバマ大統領のコメントの中で、父の世代は黒人というだけでレストランに入れなかった……と。世の中は大きく変わろうとしています。今回は黒人差別と友情をテーマにした名作5本をご紹介します。

執筆者:中野 豊

『招かれざる客』

招かれざる客
GUESS WHO'S COMING TO DINNER
『招かれざる客』
世界的にその名を知られる黒人医師ジョンはハワイで知り合った白人女性ジョーイと人種の壁を越えて結婚を誓い合い、互いの両親の許しを得るためサンフランシスコのドレイトン家を訪れます。最初戸惑っていた母も、娘の喜ぶ様子を見て次第に祝福する気になるのですが、今まで人種差別反対を自ら経営する新聞の論調としてきた父親は、いざ自分の娘が黒人と結ばれるとなると心境は複雑になってしまいます。

やがて、ジョンの両親プレンティス夫妻もかけつけますが、彼らも息子の相手が白人とは知らされてはおらず愕然とするのです。けれども、彼の母も何より子供の愛を信じ、二人の母同士の強い説得によって、父親は娘たちの仲を認めるのです。

[作品情報]
・1967年/アメリカ映画/上映時間:108min
・監督:スタンリー・クレイマー
・出演:スペンサー・トレイシー、シドニー・ポワチエ、キャサリン・ヘプバーン、キャサリン・ホートン

『夜の大走査線』

夜の大走査線
IN THE HEAT OF THE NIGHT
『夜の大走査線』
ミシシッピーの小さな駅に夜行列車からひとりの黒人ヴァージルが降り立ちます。町では折しも有力者の殺人事件が発生。

滅多にない大事件に手を焼く田舎町の警察は、黒人というだけで容疑者にしたヴァージルに、屈辱感を覚えつつも都会のベテラン刑事だと知ると捜査協力を依頼したのです。白人署長は頑固で無能な差別主義者で、ヴァージルと地元警察との連携を邪魔するばかり。

しかし、事件はようやく解決し、ヴァージルと署長との間には奇妙な友情のようなものが生まれていたのです。ヴァージルが町を去る日、駅には署長が無言でヴァージルのトランクを持ってやる……。これが白人所長の最大限の感謝の印だったのです。

[作品情報]
・1967年/アメリカ映画/上映時間:109min
・監督:ノーマン・ジュイソン
・出演:ロッド・スタイガー、シドニー・ポワチエ、ウォーレン・オーツ

『マルコムX』

マルコムX
MALCOLM X
『マルコムX』
オバマ大統領の友人でもある、才人スパイク・リー監督が、自身も尊敬する、近代アメリカきっての偉大な思想家であり、キング牧師と並ぶ黒人解放運動のリーダー、マルコムXの生涯を描いた伝記的作品。

ボストンのスラムに住むマルコムがチンピラだった頃から始まります。若くして麻薬や窃盗罪で服役し、刑務所の中でイスラム教に改宗、出所ののち彼は、イライジャ・ムハマットの下でブラック・モスレムきっての白人を敵対視する煽動家となります。やがてメッカを巡礼、彼の運動が軌道に乗った時、1965年2月21日、ハーレムのオーデュボン・ボールルームでの講演中に多数の銃弾を浴びて射殺されます。

ベルリン映画祭で男優賞を受賞した、デンゼル・ワシントンの渾身の演技が心に残ります。

[作品情報]
・1992年/アメリカ映画/上映時間:202min
・監督:スパイク・リー
・出演:デンゼル・ワシントン、アンジェラ・バセット、アル・フリーマン・Jr、アルバート・ホール


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