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思いっきり泣けるヒューマンドラマ(3ページ目)

思いっきり泣きたい名作映画から、イタリアの名匠フェリーニの『道』、ニコルソン主演の『カッコーの巣の上で』、ヘレン・ケラーの人生を見つめた『奇跡の人』を紹介します。

執筆者:中野 豊

ウォーター! 魂の声を……。
『奇跡の人』

奇跡の人
三重苦を乗り越えたヘレン・ケラーの伝記『奇跡の人』
この作品をご紹介する前に、ヘレン・ケラーという人物について。

彼女は、アメリカの教育家・社会福祉事業家です。自らも障害を背負いながらも、世界各地を歴訪し、身体障害者の教育・福祉に尽くしました。1882年、2歳のときに熱病にかかり、医師と家族の懸命な治療によりかろうじて一命はとりとめたものの、聴力と視力を失います。これから紹介する伝記「奇跡の人」で有名。

本作は、1959年にウィリアム・ギブスン脚本、アーサー・ペン演出によりブロードウェイで上演された大ヒット舞台劇の映画化です。

アラバマ州のケラー一家に新しく誕生したヘレン。2歳のときに原因不明の高熱を出し音・光を失ってしまいます。絶望するケラー夫妻……。わがまま放題に育てられたヘレンと向き合うことができなくなった一家が呼び寄せたのが若干二十歳のアニー・サリバンです。映画は若いサリバンがトランクをぶら下げて南部のケラー家にやって来るところからはじまります。

彼女は盲学校出の天涯孤独でしたが、自立という目的に向かってはじめて舞い込んできたヘレンの家庭教師という仕事に果敢に挑みます。しかし、わがまま放題に育てられたヘレンとなかなか向き合うことさえできません。また、ケラー一家からも疎まれてしまうこともしばしばでしたが、それでもあきらめずに必死にヘレンと向き合おうとするサリバンの姿にケラー家の人たちも次第に心を開いてゆくのです。

しかし、肝心のヘレンはなかなかサリバンに心を開きません。そこでサリバンがとった手段は離れの家でヘレンと二人きりで過ごすことでした。2週間程がたち、一見おとなしくなったように見えたヘレンでしたがそれはうわべだけ。サリバンの必死の教育バトルがはじまります。「物に名前があること」を理解できないヘレンに何度も何度も全身を使って伝えます。やりきれない思いで2週間を終えたサリバンはヘレンを家に戻しますが、家に戻ったとたんにヘレンは暴れます。そんな彼女をサリバンは庭に連れ出します……。感動的なラストシーンは是非ご自身の目で。

【作品情報】
・1962年/アメリカ映画
・上映時間:106min
・監督:アーサー・ペン
・出演:アン・バンクロフト、パティ・デューク、ヴィクター・ジョリイ、インガー・スヴェンソン、アンドリュー・プライン

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