秋の香漂い、芸術に接する絶好の季節になりました。秋の夜長に芸術家の人生・作品に触れてみるのもまたおつなモノ。今回は実在した画家にスポットを当ててみます。

あまりにも有名なゴッホから、ロシアのピロスマニ、ルブリョフまで、アーティストたちの人生・作品を見つめた名作映画のベスト5をカウントダウンで紹介させていただきます。興味が湧く作品がありましたらぜひ、DVDでご覧ください。

それでは第5位から……。
※物語のラストにも触れています。ご注意ください。

第5位:『炎の人ゴッホ』
弟テオと共に歩んだ“黄色い人生”の記録

炎の人ゴッホ
不遇な人生を送った芸術家の筆頭、ゴッホの人生を見つめた『炎の人ゴッホ』
■フィンセント・ファン・ゴッホ:
1853年オランダ生まれ。伝道の道を志しますが教会の権威を傷つけたとして破門。27歳で画家となり、ポール・ゴーギャンと南フランスのアルルで共同生活をするも不和となり、ゴーギャンに「自画像の耳の形がおかしい」と言われると、自らの左の耳朶を切り取り、女友達に送り付けたという奇行は有名。1890年に猟銃で自殺を図り2日後に死亡。37歳という短い生涯でした。

名作ミュージカル『巴里のアメリカ人』で立証したヴィンセント・ミネリ監督の原色を多用した色彩感覚も素晴らしく、自画像でも見られるゴッホにそっくりのカーク・ダグラスの個性的な名演も光る一篇。1990年製作のロバート・アルトマン監督『ゴッホ』のティム・ロスのゴッホ、黒澤明監督作品『』の「第5話/鴉」の中では、なんとあのマーティン・スコセッシ(『ディパーテッド』のアカデミー賞監督)がゴッホ演じます。本カーク・ダグラス版と見比べるのもまた一興。

・1956年/アメリカ映画
・上映時間:122min
・監督:ヴィンセント・ミネリ
・出演:カーク・ダグラス、ジェームズ・ドナルド、アンソニー・クイン

第4位:『モンパルナスの灯』
パリ派の異色画家モディリアーニとジャンヌの恋愛

■アメデオ・モディリアーニ(現在のカタカタ表記は「モディリアーニ」が標準ですが「モジリアニ」と記されることもあります):
1884年、イタリア・トスカーナ地方に生まれ。芸術家の集うモンパルナスで活躍し、エコール・ド・パリ(パリ派)の画家の一人に数えられています。

モンパルナスでのモディリアーニ(ジェラール・フィリップ)は若くして肺結核とアルコール依存でどん底の生活を送っていました。そんな時、画学生のジャンヌ(アヌーク・エーメ)に出会い恋におちます。しかし、モディリアーニの病状は悪化し、南仏ニースで静養することに……。父親の反対を押し切り家を捨ててまでジャンヌはモディリアーニの元へやってきます。幸福な時がモディリアーニを癒し、半年後にはパリで個展を開くも大失敗。モディリアーニは貧窮と絶望から病状が悪化し、生活のために路上で絵を売っている時に倒れ帰らぬ人となりました。享年36歳。

モディリアーニの才能を見抜いていた画商モレル(リノ・バンチュラ)は、彼が死ぬと絵の価値があがると考えていたのです。遺作となったモディリアーニの作品を一つ残らず買い取るモレルを前に、涙を溢れさせながらジャンヌは言います。「彼はどんなに喜ぶでしょう。あの人は世間に認められなかったのですから……」と。ジャンヌは、モディリアーニが亡くなった2日後、身籠った子供を道連れに自殺します。画家の人生描写にとどまらず、どこまでも壮絶なラヴストーリーです!

・1958年/フランス映画
・上映時間:108min
・監督:ジャック・ベッケル
・出演:ジェラール・フィリップ、リノ・ヴァンチュラ、アヌーク・エーメ
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