メロディーとコードが合っていない
先生:Perfumeサウンド、確かに同じコード進行でありながら、メロディーラインは違いますよね。
博士:
一見、メロディーとコードが合ってない・・・重要なポイントです。
実は1)の循環パターンはその長音階上ではどんなメロディーであっても、大体有ってしまう魔法のコード進行と言っても良いのです。民謡でも何でも、特に導音のないペンタ系のシンプルなメロディーならどんなメロディーでもこの進行にピッタリ合うのです。
その答えはハ長調でありながらサブドミナントのFM7をトニックの様に最初の和音として使う点に有るのです。ハ長調の主和音(トニック)はCに他ならないのですが、そのテンション(協和音として考えられる音)を考えると・・・
ド=主音
ミ=和音構成音
ソ=和音構成音
シ=M7
レ=9th
ファ=不協和音(CのSUS4⇒きわめて終止感を強調してしまう)
ラ=13th
ただしファを半音上げて#ファにすると、#11thとして協和音になります。ハ長調上でこれをFから始めると、11thにあたるシが元から半音高くなる為白鍵盤上すべての音が協和音となります。
すなわちハ長調においてFM7を想定した場合、白鍵盤上、すべての音が協和音になっている=実はメロディーとコードは絶えず合っている・・と言う事なんです。
我々がほとんどそうだと思っているコード〈進行)感のある音楽は、実は西洋音楽のある一部の限られた傾向で、むしろこうしたコード感を超越したモーダルな曲が全世界的にはレギュラーであるのです。
先生:
ちょっと専門的過ぎて分からなくなった気もしますが、とにかく基本コードの上に小節間で動くメロディーを乗せていけばいいんですね。
博士:
メロディーについてさらに解説すると先ほど述べた一拍目から入るメロディーというのが重要なポイントです。ノリの良い曲ほど、冒頭もシンコペーションや弱起で入りたくなるものです。ところが中田節は一拍目から入る曲が実に多い。 例えばホロディンの「ダッタン人の踊り」とか、ラベルの「ボレロ」とか、一拍目から入る曲には何か不思議なちょっと癖になる違和感があります。 ちょっとプリミティブな、ガツンとした素朴を装いながら実に計算高く作りこまれていますね・・・見事です。
今回、まだまだ具体的な点は多くを語れませんでしたが、昨今のフォロアー出現を見るに、上記以外にもさまざまな特徴をすでに意識しているクリエーターが続出していることは紛れも無い確実ですね。
それでは皆さんも頑張って、中田サウンドに挑戦してみてください!!
ヨハン・セバスチャン・ユーリー・シュリンプフィールド・フォン・ケロッグでした。