テクノポップ/YMO関連

YMOの遺伝子~第3回(3ページ目)

YMOの歴史的作品を振り返りつつ、YMOのカヴァーをご紹介する企画です。ジャケのカヴァー(?)もね。第3回は、ブレイクが継続する『PUBLIC PRESSURE』~『増殖』から。Here We Go!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

『増殖』から6ヶ月以上経った1980年12月20日にシングル『Tighten Up!』(B面は『Nice Age』)がリリースされます。この曲は、アメリカで1968年にチャート1位となったArchie Bell & The Drellsのファンキーなソウル・ナンバーです。1980年11月20日にアメリカのNBCの人気番組『SOUL TRAIN』で、YMOは出演! この『Tighten Up!』と『Computer Game』を演奏し、観客の黒人たちはのりまくり、拍手喝采を浴びます。ほんとに痛快な出来事です。

矢野顕子、大村憲司も参加しましたが、松武秀樹は機材が届かず出演できなかった。『Tighten Up!』のスネークマン・ショーのヴォーカル&ラップ部分は、ステージ参加なしでした。観客に混じって如何にもステレオタイプ日本人が踊っていますが、マネージャーの伊藤洋一です。司会のドン・コーネリアスのインタヴューは高橋幸宏が受け、「どんなサウンドなんだい?」という質問に困った顔で「クラフトワークのようだと言われる」と答えていました。「テクノポップ」ではなかった。

Spoozysとしては『Cosmic Surfin'』をカヴァーしていたギタリスト松江潤は、All That Fuzzとして『Nice Age』のカヴァーを収録したアルバム『69』(1995年)をMIDIからリリースしています。アルバムは、ジャズ、テクノ、炸裂ギターなどのミクスチャー・ロック的な内容。『Nice Age』はギターでぐいぐい引っ張ります。松江潤は、YMOを聴いてニューウェイヴに目覚めたとのことですが、『ジューシィ・フルーツ復活!?』で紹介した再結成ジューシィ・フルーツのシングル『ジェニーはご機嫌ななめ』(2001年)をプロデュースしています。

沖野修也、吉澤はじめ、中村雅人、黒羽康司が結成した4人組、Cosmic VillageのYMOカヴァー・アルバム『Nice Age』(1998年)です。デビュー・アルバム『Trinkets & Things』に続く彼らのセカンド・アルバムで、アルファからリリースされています。オリジナルの『Nice Age』は、ニューウェイヴ的な要素が強い作品ですが、クラブ・ジャズ的なサウンドに変化しています。他の曲は、『Technopolis』を始めとした『Soild State Survior』からの選曲が中心です。

こちらは、シングル『Nice Age』(1998年)。12cmではなくて、8cmCDシングルです。アルバム・ヴァージョンと比べ、ギターも入ったロックな仕上がりです。

デキシード・ザ・エモンズのシングル『Nice Age』(2000年)ではサイケデリックなカヴァーをしています。

『増殖』のラスト曲は、78年10月25日(YMOのファーストのリリースの1ヶ月前)にリリースされた教授のソロ・アルバム『千のナイフ』に収録されていたものですが、ユーモアたっぷりの和風アレンジに仕上がっています。

次は、『BGM』からです。

【関連リンク】
『YMOの遺伝子~第2回』
『YMOの遺伝子~第1回』
『ピストルズを呼べ! そしてYMO』
『COMPACT OMY』
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