ジャズを聴く楽しみの1つは、1枚の名盤が芋づる式にたくさんの名盤につながっていくこと。ミュージシャン同士の仲間関係、師弟関係はもちろん、レーベルや地域が与えた影響、さらにはまったく無関係な2作品の間に確かに存在する共通性など。「ジャズ名盤千夜一夜」では、毎回1枚の「名盤」を紹介。次々に関係性の糸をたどりながら、全1000回(!)をめざします。

ファンクの定番『ザ・サイドワインダー』

■リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
1963年。リー・モーガン(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショウ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。ファンク、あるいはジャズ・ロックの草分けと言われる作品。何といってもタイトルチューンの「ザ・サイドワインダー」がかっこいい。
1. ザ・サイドワインダー
2. トーテム・ポール
3. ゲイリーズ・ノートブック
4. ボーイ・ホワット・ア・ナイト
5. ホーカス・ポーカス
前回に引き続きリー・モーガンの代表作をご紹介。前回紹介した(リー・モーガン『リー・モーガンvol.3』以上に、リー・モーガン名義で有名なのがこの『ザ・サイドワインダー』である。

私が大学時代入会していたジャズ研では、なぜか毎回タイトルチューンである「ザ・サイドワインダー」を演奏していた。親しみやすいテーマとロックビートに近いリズムがジャズになじみのない人間にも聴きやすかったのかもしれない。

実際、この曲はかっこいい。不滅、という言葉がぴったりかもしれない。3コードの単純なテーマなのだけど、一度聞くと忘れない、キャッチーさがある。

ただ、多くの名盤にありがちなことだけど、このアルバムも、他の収録テイクも聞き逃せないものが多い。

個人的には、2曲目「トーテム・ポール」のリー・モーガンのソロはいつ聴いても熱いなあ、と思う。特に8分付近、テーマに帰る前の2コーラス分はとにかく熱い。変わった音使いをしているわけではないのだけど、切れ味抜群のソロに、バンド全体がグイグイ引っ張られているのがよい。 4曲目、ボーイ・ホワット・ア・ナイトは軽快なバリー・ハリス(p)の軽快なピアノテーマに続いて、ホーンセクションによるテーマの入り方がいかにもハードジャズである。

1曲あたりの平均の長さが5~10分と長いのだけど、そういう長さはほとんど感じさせない完成度の高い作品だと思う。
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