ジャズ/ジャズ関連情報

(7)『ザ・サイドワインダー』

芋づる式CDレビュー「ジャズ名盤千夜一夜」。第7回はリー・モーガンが残したジャズロックの定番「ザ・サイドワインダー」をご紹介!

執筆者:鳥居 直介

ジャズを聴く楽しみの1つは、1枚の名盤が芋づる式にたくさんの名盤につながっていくこと。ミュージシャン同士の仲間関係、師弟関係はもちろん、レーベルや地域が与えた影響、さらにはまったく無関係な2作品の間に確かに存在する共通性など。「ジャズ名盤千夜一夜」では、毎回1枚の「名盤」を紹介。次々に関係性の糸をたどりながら、全1000回(!)をめざします。

ファンクの定番『ザ・サイドワインダー』

■リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』
1963年。リー・モーガン(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショウ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。ファンク、あるいはジャズ・ロックの草分けと言われる作品。何といってもタイトルチューンの「ザ・サイドワインダー」がかっこいい。
1. ザ・サイドワインダー
2. トーテム・ポール
3. ゲイリーズ・ノートブック
4. ボーイ・ホワット・ア・ナイト
5. ホーカス・ポーカス
前回に引き続きリー・モーガンの代表作をご紹介。前回紹介した(リー・モーガン『リー・モーガンvol.3』以上に、リー・モーガン名義で有名なのがこの『ザ・サイドワインダー』である。

私が大学時代入会していたジャズ研では、なぜか毎回タイトルチューンである「ザ・サイドワインダー」を演奏していた。親しみやすいテーマとロックビートに近いリズムがジャズになじみのない人間にも聴きやすかったのかもしれない。

実際、この曲はかっこいい。不滅、という言葉がぴったりかもしれない。3コードの単純なテーマなのだけど、一度聞くと忘れない、キャッチーさがある。

ただ、多くの名盤にありがちなことだけど、このアルバムも、他の収録テイクも聞き逃せないものが多い。

個人的には、2曲目「トーテム・ポール」のリー・モーガンのソロはいつ聴いても熱いなあ、と思う。特に8分付近、テーマに帰る前の2コーラス分はとにかく熱い。変わった音使いをしているわけではないのだけど、切れ味抜群のソロに、バンド全体がグイグイ引っ張られているのがよい。 4曲目、ボーイ・ホワット・ア・ナイトは軽快なバリー・ハリス(p)の軽快なピアノテーマに続いて、ホーンセクションによるテーマの入り方がいかにもハードジャズである。

1曲あたりの平均の長さが5~10分と長いのだけど、そういう長さはほとんど感じさせない完成度の高い作品だと思う。
●関連記事・カテゴリ
シリーズ「ジャズ名盤千夜一夜」

記事「はじめてのジャズCD vol.1 これぞジャズ!」
記事「ジャズ用語徹底解説「ハード・バップ」って、なに?」
カテゴリ「ビッグアーティスト列伝」
カテゴリ「ジャズレーベル」
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でジャズの CD・DVD を見るAmazon でジャズ関連商品を見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます