最も困難な楽器の一つであるトランペット(フリューゲルホーン)を、あたかも口笛を吹くようにコントロールしてしまう男が今回紹介するクラーク・テリー。ビバップの流れを汲みつつも、オリジナリティあふれるジャズイディオムとニュアンスで、他の追従を許さない天才トランペッターである。御歳83歳で現役!その魅力に迫ってみたい! ※ジャケット写真がAmazon.comにリンクしています。 天才トランペッター、クラーク・テリー 悩めるトランペッター、クラーク・テリー 天才ボーカリスト、クラーク・テリー 面倒見の良いトランペッター、クラーク・テリー ここでクラーク・テリーのお勧めアルバムをお一つ。スパーピアニスト、オスカー・ピーターソンのトリオに、クラーク・テリーが参加してしまった、最高にゴキゲンであり、かつ崇高な『トリオ・プラス・ワン』というアルバムである。上のジャケット写真の右側も何を隠そうオスカー・ピーターソンさんであり、クラーク・テリーとのデュエットアルバムであるが、『トリオ・プラス・ワン』の方が存分にジャズの持つスイング感、グルーブ感を楽しむことが出来るであろう。 クラーク・テリーとオスカー・ピーターソンに共通する点は、スイングするフレーズをしこたまストックしていること。盛り上がっても勢いで押し切ることなく、常にクールにスイングしているのである。そこが普通のジャズメンとかけ離れている部分であり、このアルバムで充分に堪能できる。 右の写真は今年発売になった、セント・ルチア・ジャズ・フェスティバルの模様を収録したDVD。すっかり枯れてしまっているという意見もあるが、80歳にしてなお元気にスイングするお姿を拝見できる。ジャズの楽しみ方をおしえてくれるような演奏を皆さんも是非ご体験あれ!
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文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)
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