DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロが明かす新・音楽制作手法[1](3ページ目)

今プロの音楽制作手法にも変化が現れてきています。中でも斬新な手法をとっているのが沖縄系ヒーリングユニットのTINGARA。最新作を例にその制作手法を明かしてもらったので、数回にわたって紹介しましょう。

藤本 健

藤本 健

DTM・デジタルレコーディング ガイド

DTM(デスクトップ・ミュージック)という言葉が生まれてから20年以上が経ちました。それ以前からずっとこの分野を追ってきましたが、技術の進歩に伴いPCでできる音楽制作の幅はどんどん広がってきています。その長い経験と技術知識を元に、DTM・デジタルレコーディングのノウハウや情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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レコーディングからマスタリングまですべてをDTM手法で

TINGARA
TINGARAの最新作、「組曲~命の森」は名嘉睦稔氏の展覧会のためのテーマ曲
--新作「組曲 ~命の森~」の完成、おめでとうございます。今日は、このアルバムをどのように作ったのか、さまざまな角度から伺いたいと思います。
ヒデオ:このアルバムは、名嘉睦稔(なかぼくねん)という版画家が明治神宮で行う展覧会に合わせて制作したものです。この展覧会が決まり、ボランティアを中心としたプロジェクトスタッフ50人が集まったのですが、どんな展覧会にしたいかとアイディアを募ったところ、「テーマ曲が欲しい」という意見が多かったのです。それじゃあということで1曲作ろうと思ったところ、つぐみが「12年前にこの大きな作品を見たときから、これに組曲をつけたかった」といいだして、いきなり組曲を作ることになったんです。

--ずいぶんと大掛かりになったんですね。
ヒデオ:しかも、それが展覧会開催の1ヶ月ちょっと前。それから作って、CDを出すところにまでこぎつけるのは、正直不可能ではないかとも思ったのですが、やってしまいました(笑)。

--普通、物理的に考えても無理ですよね?
ヒデオ:たぶん、通常の制作であれば不可能ですね。作曲からはじまって、CDをプレスするところまでですから。もちろん、非常に集中して制作に取り組んだというのもありますが、インターネットを駆使しつつ、DTMベースでレコーディングからマスタリングまで行ったのが、大きかったですね。もっとも、時間短縮のために、そういう手法をとっているわけではなく、私たちなりに、どうすればベストな音が作れるかを突き詰めていった結果、行き着いたのがこの手法なんです。
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