DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

初音ミク、左腕の秘密(3ページ目)

初音ミクの左腕には数多くのスイッチのようなものが並んでいます。これはいったい何を意味するものなのでしょうか? DTMにとって重要な意味を持つこの左腕について紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

DX7を復元するソフトシンセもいろいろと存在する

FM8
FM7の後継となるNative InstrumentsのFM8
一方でDX7を復元するソフトシンセもいろいろあります。本家YAMAHAは出していないものの、ソフトシンセメーカーとして有名なNative Instrumentsは早い段階から
   FM7
という名前の音源を出し、まさにDX7エミュレーターとして人気になりました。現在は後継となるFM8というものになっていますが、やはりFM音源独特のきらびやかなサウンドが出せるのです。


また以前にも紹介した
   HexterVSTi
というオープンソースのDX7エミュレーターもありましたが、残念ながら現在はプロジェクトが終了し、ソフトも入手できないようです。

UNO FM
フリーウェアのFM音源シンセ、UNO FM 1.0
一方、DX7そのものというわけではありませんが、手軽に使えるFM音源として存在するフリーウェアに、
   UNO FM 1.0
というものもあります。興味のある人はダウンロードして試してみるといいでしょう。


シンセサイザの中でも非常に独特なFM音源


ここまで、DX7がFM音源というタイプのシンセサイザであるということは紹介しましたが、FM音源は一体何なのでしょうか?

FMとはFrequency Modulationの略で周波数変調のこと。FMラジオのFMと同じものです。一般のシンセサイザが矩形波やノコギリ波、サイン波などを元に、フィルタを使って音を削り出して音色を作り上げていくのに対し、FM音源は、波形を波形で変調するというまったく異なる方式をとっているのです。

話が数学的で難しくなりますが、FM音源の基本は2つのオペレータの掛け算で音を作り出します。DXシリーズの場合、オペレータから出る波形はサイン波に固定されているため、計算式にすると
   Asinωt×Bsinωt
という形で波形を作り出します。

FM音源
オペレータを組み合わせるアルゴリズム
またDX7ではオペレータの数は6つ、DX21やDX100など下位モデルの場合は4つとなっており、それらのオペレータをどう組み合わせるかによって音作りも大きく異なってくるのも面白いところです。その組み合わせのことをアルゴリズムと呼んでいるのですが、これをいろいろと選択できるのもDXの魅力でもあったのです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます