6種類のオシレータと4種類のフィルタを搭載したThor
6種類のオシレータ、4種類のフィルタを組み合わせて使う新音源、Thor |
ポリソニック・シンセサイザ
です。すっと読み飛ばしてしまいそうですが、「ポリフォニック(Polyphonic)」ではなく、「ポリソニック(Polysonic)」。あまり聞いたことのないネーミングですよね。
一般的なシンセは1つもしくは2つ程度のオシレータに、フィルタ、EG、LFOなどを組み合わせた形で成り立っていますが、このThor、なんとオシレータを6種類、フィルターを4種類装備してそれぞれを自由に組み合わせることができるのです。そして、そのオシレータとフィルタのための6基の空きスロットがあり、それぞれに異なるオシレータとフィルタを同時に3つずつ呼び出すことで、斬新なサウンドを生み出すことができるのです。
シンセサイザの歴史の総結集
Thorに搭載された6つのオシレータ |
アナログ
ウェーブテーブル
フェーズモジュレーション
FMペア
マルチオシレータ
ノイズオシレータ
のそれぞれ。あらゆるオシレータがここに結集したという感じです。
FMペアが2つのオシレータを周波数変調させてYAMAHAのDX系のサウンドを作るのに対し、フェーズモジュレーションは、2つのオシレータを位相変調させて、個性的なチープサウンドを生み出すもの。さらにマルチオシレータは、複数のデチューンされた波形を同時に発音するもので、トランス系のサウンドを作り出すことができます。
これを3つ組み合わせることが可能というのだから、まさに何でもあり。個人的にはとにかくFM音源がほしかったので、嬉しいところ。強いていえば、直列に4つまでモジュレーションをかけられるDXに習うFM音源だとさらによかったのですが、それは高望みといったところでしょうか……。
実際、このThorの出音を聴いてみると、本当に多種多様なサウンド。かなり音作りの楽しさを味わえそうです。