Pro Toolsというシステムをご存知ですか?ホームレコーディングをするDTMユーザーにはやや馴染みの薄いものですが、プロの世界での業界標準となっているこのPro Toolsを簡単に紹介しましょう。今回と次回の2回に渡って紹介しますが、今回はまずPro Toolsの全体概要について、次回は、今話題のM-Poweredについてです。プロのレコーディングのデファクトスタンダード、Pro Tools
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プロのレコーディングの世界では圧倒的なシェアを持つDAW、Pro Tools |
現在、プロミュージシャンのレコーディングで使われているシステムといえば、おそらく9割以上がDigidesignのPro Tools(プロツールズ)というシステムです。ホームレコーディングにおいては、CubaseやSONAR、Logic、DigitalPerformer、Live……といったツールが使われている一方で、プロのレコーディングではPro Toolsがデファクトスタンダードになっているのです。
実際、レコーディングスタジオに置かれているのがどこもPro Toolsであり、その普及率は100%に近いところまで来ています。このPro Tools、国内においてはどこもMacベースで使われていますが、そのシステム構成のあり方が、CubaseやSONARなどとかなり異なるので、一般のユーザーにはちょっと分かりにくいものとなっています。
システムとしてのPro Tools | HD
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Pro Toolsのオーディオインターフェイのひとつ、192 I/O |
まず、これはソフト単体で使うものではなく、専用のハードウェアとセットで使うことが前提です。つまりPro Toolsとはシステム全体の名称であり、正確にはソフトウェアであるPro Tools SoftwareとハードウェアであるHD Coreカード、192 I/Oなどに分類することができます。それにMac本体、さらにはフィジカルコントローラなどをセットにした形で、Pro Toolsと呼んでいます。
また、こうしたプロのレコーディングスタジオで使われるPro Toolsがある一方、ホームレコーディング用のPro Tools LE、Pro Tools M-Poweredというものがあるため、現行のPro ToolsをPro Tools | HDと呼んでいます。