DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

すべてのプロテクトを破る強力なソフト!? Total Recorderの実力(3ページ目)

ネットラジオに音楽配信データ、DRM付き音楽データ……、パソコンで聴けるけれど保存やコピーができないものがいろいろあります。そんなデータを簡単にキャプチャできる便利なソフトを紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

再生音をキャプチャする仕組みとなっている


Total Recorder
Total Recorderは仮想ドライバを作り、そこを通じてキャプチャしてしまう
では、Total Recorderはどうして、本来録音できない音が録音できてしまうのでしょうか?その仕組みはちょっと面白いものとなっています。本来アプリケーションが再生する音の信号はドライバを通してオーディオインターフェイスに流れ、音となって再生されます。しかし、このTotal Recorderは仮想的なドライバを作るので、アプリケーションの出力先を通常のドライバではなくTotal Recorderに設定することで横取りしてしまうわけなのです。


もちろん、Total Recorder経由でほかのドライバへそのままデータを流すことができるので、そう設定すれば普通に音を鳴らすことができるとともに、録音もできるというわけなのです。

DRM付きデータもコピーできてしまうの?


さて、ここで思いつくのが、ネットラジオ以外への適用です。中でも面白いのがプロテクトのかかったデータのキャプチャです。もちろん、そうしたことを推奨するつもりは毛頭ありませんし、不正コピーは許されることではありません。

ただ、この仮想的なオーディオドライバを使ってキャプチャする方法を用いれば、本来コピーができないDRM(デジタル著作権管理機能)付きのデータもコピーすることは可能です。もっとも、キャプチャした結果はWAVファイルになりサイズも大きいし、すべて手動で行うのが基本なので、かなり手間はかかるのですが……。

ご存知の方もいるかもしれませんが、私がAV WatchのDigital Audio Laboratoryという連載においても、Toltal Recorderはよく活躍してくれます。理由は不正コピーではなく、本来コピーできないフォーマットのデータをWAV化するためです。

たとえばNetMDなどで使われているATRAC3のデータは一般のソフトでは読み込むことができないため、ATRAC3再生専用のSonicStageというソフトで再生させた音をTotal RecorderでキャプチャしてWAV化するといった使い方です。ほかにもいろいろな応用法があるかもしれないので、みなさん試してみてはいかがでしょうか?
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