■完全コピー型とノイズレス型の見分け方
その辺の理由を簡単に説明しましょう。まず完全な形でコピーをするということは、かなり制限も多いということを意味します。たとえば、外部にS/PDIF出力を持ったCDプレイヤーがあり、それを完全な形で吸い上げるとします。この場合、CDプレイヤー側は16bitの44.1kHzでステレオというフォーマットですから、入力する機材は必ず同じフォーマットに対応している必要があり、かつそのときの動作モードが同じになっていないとエラー表示がされたり、うまくレコーディングできないのです。
また、これはそのサウンドカード、オーディオインターフェイスといったハードウェアのモードに限らず、レコーディングするソフト側も同様で、同じモードにしていないとエラーになってしまうのです。さらに、もうひとつの難点はレベル調整ができないということ。アナログのレコーディングならレベル調整をするのは当然ですが、デジタル完全コピーを行う場合は、そもそもレベル調整という概念がないですから当然でもあり、普通なら扱える入力レベル調整ミキサーなども固定表示となってしまうのです。
その一方で、「デジタル機器間でノイズがまったく混入せずにデータの転送ができる」というタイプは、そうした面倒な点をすべて排除してくれています。つまり、扱いはアナログ感覚で、どんなフォーマットの入力でもサポートし、どんなフォーマットにも録音可能で、かつレベル調整も可能でありながらも、アナログのようなノイズが入らないというものなのです。
こうした違いがあるため、完全コピーをするための機材は比較的、高性能・高価格な製品で業務用などに用いるタイプのものが多く、非完全コピー型はサウンドカードなどと呼ばれるものや、比較的安いUSB機器などに多く見られます。もちろん値段で分かれるというわけではなく、安いもので両者をサポートしたものも出ています。
では、これから製品を購入するとしたら、どうやって見分けるかですが、これはなかなか難しいところ。通常はどちらの機材もS/PDIFの入力をサポートしているとしか書いていないですから……。メーカーに問い合わせたり、店員に確認するのが無難でしょう。まあ、店員でも理解していない人は多そうではありますが……。
もし、実際に動作しているものを触ることができれば、録音レベルの調整が可能か否かというところで、チェックできます。たとえばWindowsの場合、コントロールパネルでサウンドデバイスに目的のものを指定した際、フェーダーがアクティブになって動かせるかどうかを見るわけです。そもそもほかのデバイスしか表示されないとか、出力側も含めて表示すらされないこともあるので、その辺りから見極めましょう。
これさえ確認できたらあとは簡単。単純に録音をすれば、レベル調整作業などいらず、簡単にデータができあがります。そして最後に曲の前後にある無音部分を省いてしまえばいいわけです。
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