
また、これはそのサウンドカード、オーディオインターフェイスといったハードウェアのモードに限らず、レコーディングするソフト側も同様で、同じモードにしていないとエラーになってしまうのです。さらに、もうひとつの難点はレベル調整ができないということ。アナログのレコーディングならレベル調整をするのは当然ですが、デジタル完全コピーを行う場合は、そもそもレベル調整という概念がないですから当然でもあり、普通なら扱える入力レベル調整ミキサーなども固定表示となってしまうのです。
その一方で、「デジタル機器間でノイズがまったく混入せずにデータの転送ができる」というタイプは、そうした面倒な点をすべて排除してくれています。つまり、扱いはアナログ感覚で、どんなフォーマットの入力でもサポートし、どんなフォーマットにも録音可能で、かつレベル調整も可能でありながらも、アナログのようなノイズが入らないというものなのです。
こうした違いがあるため、完全コピーをするための機材は比較的、高性能・高価格な製品で業務用などに用いるタイプのものが多く、非完全コピー型はサウンドカードなどと呼ばれるものや、比較的安いUSB機器などに多く見られます。もちろん値段で分かれるというわけではなく、安いもので両者をサポートしたものも出ています。
では、これから製品を購入するとしたら、どうやって見分けるかですが、これはなかなか難しいところ。通常はどちらの機材もS/PDIFの入力をサポートしているとしか書いていないですから……。メーカーに問い合わせたり、店員に確認するのが無難でしょう。まあ、店員でも理解していない人は多そうではありますが……。

これさえ確認できたらあとは簡単。単純に録音をすれば、レベル調整作業などいらず、簡単にデータができあがります。そして最後に曲の前後にある無音部分を省いてしまえばいいわけです。