DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

国産の超マニアック・モジュラー型ソフトシンセ登場 VOID Modular System(2ページ目)

日本のPSOFTという会社からVST対応のモジュラー型ソフトシンセが登場しました。かなりマニアックなソフトで、シンセ好きには非常に魅力的な音源です。今回はそのVOID Modular Systemを紹介します。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■計23ものモジュールを自由に組み合わせることができる

VOID Modular System具体的なモジュールとしては、オシレーター、エンベロープジェネレータ、VCA、LFOといった基本的なものはもちろん、ローパス・ハイパス・バンドバス・ノッチの切り替え可能なマルチモードフィルター、ダイナミックフィルター、フォルマントフィルターなど3種類のフィルターを装備。また、ディストーション、ディレイ、リバーブ、コーラス、ボコーダーなど9種類のエフェクトも用意されています。そのほか、面白いところではTTS(Text to Speach)という英文字を入力するとそれをしゃべってくれる声合成モジュール、スクラッチ機能付Wavファイルプレイヤーなども装備されています。そのほか、アナログタイプの16ステップシーケンサー、ミキサーなどなど全部で23個ものモジュールがあり、それらを自由に追加し、接続することができます。また同じモジュールを複数利用することも可能となっています。


VOID Modular Systemいきなりゼロから、これらのモジュールを組み合わせて音を作るというと、なかなか難しいのですが、もちろんデフォルトのプリセットサウンドがいろいろと用意されているので、これらを使えば、とりあえずすぐに音を出すことができます。実際に音を出してみて気づくのは、レトロのアナログシンセの暖かい音ではなく、もっと今っぽい音だということ。オシレータ、エンベロープジェネレータ、フィルター、VCAと接続した音は、モデリング系の比較的ハードな音だし、サンプリング音を扱ったり、前出のTTSといったものを利用した音源が多いため、余計デジタルっぽい音に聞こえるのかもしれません。この辺の好き嫌いというのは多少あるかもしれませんが、かなりバリエーションのあるさまざまなサウンドが楽しめます。


実際に音源を作り上げるためには、現在あるプリセットの設定を少しずつ変えていくというのが分かりやすいのですが、ある程度の勘所をつかめば、本当にゼロから作っていくのも楽しいものです。いろいろあるモジュールから好きなものを追加していくことができるし、それらのモジュールの配置場所も自分で決めることができるのも面白いところ。ただ、初心者にとっては、かなり難しい作業で、それなりに理解しないと音を出すこと自体なかなかできないかもしれません。
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