DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

文字のフォント感覚で音色を扱える SoundFontって何?(2ページ目)

SoundFontというキーワードを目にしたことのあるけど、よく知らないという人は多いのではないでしょうか。実はかなり画期的なものなのですが、今回はこのSoundFontについて解説してみます。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■WaveTableシンセサイザの仕組み

 SoundFontの仕組みを解説する前に、一般のWaveTableシンセサイザの仕組みについて、ごく簡単に見ておきましょう。
 ここでいうWaveTableシンセサイザとは、現在もっとも一般的な音源のことで、EDIROLやYAMAHAのDTM系の音源はもちろんのこと、Roland、Emu-Ensoniq、KORG、KAWAI、CASIO……とほとんどのメーカーが出しているシンセサイザがWaveTable音源となっています。
 ちなみにWaveTable方式でないシンセサイザというと、昔のアナログシンセサイザやFM音源シンセサイザ、最近では物理モデリング音源とかバーチャルアコースティック音源と呼ばれるものがあげられます。
 このWaveTableシンセサイザを一言でいえば、デジタル的に録音(サンプリング)したサウンド(=WaveTableデータ)をそのまま再生する方式の音源。ピアノの音を録音し、それをそのまま再生させるのだから、出てくる音がピアノそっくりなのは当然といえば当然です。一番いいのは、ドレミファソラシドとそれぞれの音を1音ずつ録音し、再生する際も、それぞれを鳴らすこと。しかし、61鍵盤あるものを全部録音していたら、かなりのデータ容量となってしまうし、強く弾くか弱く弾くかで音色が異なることもあります。さらに音の長さによっても雰囲気が異なるし、ペダルを踏んでいるか放しているかによっても音は変わってくるので、単純な録音と再生だけでは実現は不可能です。
 そこで、WaveTableシンセサイザでは、代表的な音をいくつか録音して、それをデジタル的に処理することで音程を変えたり、強さ、長さを変化させても、自然な感じで音を出すことを可能にしているのです。また、その際WaveTableデータをシンセサイザ機能によってデジタル処理を施すのですが、その処理の仕方を決めるパラメータを設定することができ、このパラメータとWaveTableデータをセットにしたものが音色データとして音源内のROMに保存されているわけです。ちょっと難しくて分かりにくかったかもしれませんが、なんとなく理解できれば十分です。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます