SoundFont=サウンドフォントというものをご存知ですか?SoundBlaster関連のカタログとか記事を読んでいるとよく出てくるほか、最近ではソフトシンセやサンプラーなどにもこの言葉が登場してきます。
実際、SoundBlaster Live!やAudigyなどにはSoundFont機能が標準で搭載されており、これが大きな特徴となっているものの、これがどんなものなのか、よく分からないし使ったことがないという人が圧倒的なようです。
プロを含め、ハイエンド指向のユーザーの場合、SoundBlasterなんてハナからバカにしてかかっているケースが多く、SoundFontなんて頭にもよぎらないということが多いのでしょうが、実はこれ、もともとはプロの世界でもユーザーの多いE-mu Systems(現Emu-Ensoniq)が作り出したサンプラーの規格であり、非常に画期的な技術なのです。しかも、オープンな規格であるため、SoundBlasterシリーズだけでなく、いろいろなところで使われ始め、いまやデファクトスタンダードといっていいところまで広く浸透してきているものなのです。
では、これから、そのSoundFontがどんなものなのか、その概要について説明していきましょう。
■文字のフォントのように音色を扱うSoundFont
みなさんもご存知のように、音色に関してはGMやGS、XGといろいろな規格が存在しています。これによって1番はピアノ、7番はハープシコード、41番はバイオリン……というように決められ、誰が作ったデータでもそれなりに再生が可能になっているわけです。
でも、誰もが一般的な音色すべてを必要とするかというとそうでもありません。特に、曲を作る側の人にとっては、「バイオリンやトランペット、フルートなんて音色はまったく不要。それよりもディストーションの効いたギターサウンドがいろいろ欲しい」、「GM Level 1の音色はどれもいらない。GMと音色配列は違ってもいいからもっと分厚いサウンドの音色が欲しい」といった要望があることも事実です。
そういった要望に対する答のひとつがSoundFontなのです。SoundFontとはその名前からも想像できるように、音色を文字のフォントのように捉える考え方。つまり、文字の場合、ワープロやDTPソフトの上の設定で簡単に明朝からゴシックに、また楷書体や毛筆体へと変更させることができます。もし毛筆体のフォントが入っていなくても、それを手にいれてPCにインストールすればすぐにそのフォントに変更することが可能です。
それと同様に、SoundFontをインストールすれば自分の好きな音色を自由に利用できるというのがSoundFontの基本的考え方なのです。