DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロのエンジニア気分でDTMを楽しもう! フィジカルコントローラを使う

画面上ではなく、物理的なフェーダーを動かしてシーケンスソフトをコントロールするフィジカルコントローラ。これが最近非常に安くなり、誰でもが楽しめるようになりました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■音楽作品を完成させるためのミキシング作業

 みなさんはシーケンスソフトで最終的な作品を仕上げる際、各トラックのレベル調整はどのように行っていますか?
 実際に使っている人の声を聞いてみると、初心者ユーザーの多くの方はとくにレベル調整などはしていないようです。また、していたとしても、予め各トラックごとのレベルを決めてしまい、最初から最後まで鳴らしているというのがほとんどのようです。
 もちろん、それでも曲を作ることはできるし、そこそこ満足のいくデータになるかもしれません。しかし、せっかく入力した曲ですから、もっと表情をつけて、よりクォリティーの高い作品に仕上げたいところです。
 その辺の方法は、プロのレコーディング現場でどのような作業が行われているのかということを知ると、少し見えてくるかもしれません。もちろん、その現場、現場によって細かな手法は変わってきますが、基本的に共通していえることは、各トラックのレコーディングを終えたら、ミキシングという作業によって各トラックのレベル調整やイコライザやエフェクトの調整を行っていきます。さらにその後には、最終的な音質を決めるマスタリングという作業が行われるのです。
 ミキシングもマスタリングも非常に重要な作業なのですが、効果がよりはっきりと分かり、作品のできが決まるのがミキシングでしょう。やはり、ミキシング作業なしには作品といえるものはできないのです。
 テレビなどで見たことのある方もいるでしょうが、通常このミキシングは、ミキシングコンソールといわれるフェーダーが何本もならんだ大きな機械を用いて作業していきます。もちろん、ここにはそれなりの経験が必要となるわけですが、フェードインやフェードアウトをはじめとする操作は、素人がやっても、まったくやらないのとは雲泥の差が出てくるものです。
 ではDTMユーザーはこうしたミキシング作業をどのようにすればいいのでしょうか?たいていのシーケンスソフトには、ミキシングコンソール画面があるので、これをマウスを用いて操作すればいいわけです。見た目にもかっこいいし、これでかなりのことはできそうです。
 しかし、実際に試したことのある方なら分かると思いますが、これが非常に面倒な作業なのです。とにかくマウスでの操作は面倒であり、また複数のトラックを同時に操作することも基本的にはできません。もっとも多くのシーケンスソフトでは、グルーピング機能というものが用意されており、これを利用すれば、まったく同じ操作をグループ化した複数のトラックで行うことはできるものの、やはり使いづらいことは確かでしょう。
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