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【新製品レポート】 新音源SD-90の実力と互換性(3ページ目)

エディロールから発売された新音源SD-90。最近、各社ともDTM音源の新製品が少ない中、久々の登場ですが、このSD-90はどれだけの実力があり、既存の音源との互換性はどうなのでしょうか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■GM2、GS、XG liteの関係は?

さて、ここでもう一つ気になることがあります。それは音源としての互換性についてです。

これまでサウンド・キャンバス・シリーズでは基本的に上位互換性を保ちながら進化してきており、SC-8850ならその前の世代のSC-88Pro、さらにはその前のSC-88、SC-55mkII、SC-55とどの音源のデータでも再現できるような設計になっていました。それに対し、SD-90はどうなっているのでしょうか?

結論から言ってしまうと、確かにGS音源としての互換性はありますが、完全に再現する互換性はありません。それは音色数がSC-8850より少ないことから見ても明らかでしょう。

また、これまでローランドが固執してきたGSに対しては、1月に行われたヤマハとの共同発表以降、トーンが弱められて来ており、反対にGMレベル2が前面に押し出されてきています。SD-90はまさに、その新路線の音源であり、だからこそGM2を4セットという言い方になっているのです。

もう少し具体的にいえば、クラシカル、コンテンポラリ、ソロ、エンハンスドの4セットであり、それぞれブラッシュアップされたサウンドがそろっているのです。

とはいえ、もちろんGSとの互換性は保っているので、GS規格の範囲内での互換性はあるのです。ただし、前述したようにSC-8850やSC-88Proといった特定機種の固有の音色に対する互換性は持っていません。

そして、もうひとつ注目すべきは、GSの宿敵であったXGとの互換性を持たせたということです。製品にはXGのロゴまで入っているわけですが、正式にはXGそのものではなくXG lite Version 2.Oという機能限定版に対応しているわけですが、たいていのXGサウンドは問題なく動作してくれます。

以上の点をまとめると、SD-90は音源としては非常に優秀な高スペックであるが、音色数やパート数という面ではSC-8850に負けてしまう、ということです。すでにSC-8850を持っている人で、SD-90に乗り換えようと思っている人もいると思いますが、できれば完全に乗り換えるのではなくSC-8850も持ちつつ、SD-90を利用することをお薦めします。ふたつをうまく組み合わせたり、用途に応じて音源を分けて使うことによってDTMの領域がまた大きく広がっていきそうです。
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