DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

【トップインタビュー】 Sound Blaster Audigyの戦略(2ページ目)

サウンドカードのデファクトスタンダードであるSound Blaster。これまでEMU10K1という強力なDSPを搭載したSound Blaster Live!シリーズが3年間発売されてきましたが、この度、24bit/96kHzに対応したAudigyが誕生しました。このAudigyのプレス発表にあわせて、シンガポール本社のCEOが来日したので、インタビューしてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

藤本――はじめまして。今回発表されたSound Blaster Audigy。記者発表資料をざっと読ませていただきましたが、なかなかすごいですね。まずは、このAudigyに関して、簡単に紹介していただけますか?

Sim氏――AudigyはSound Blaster Live!の上を行く、高性能・高品位なサウンドカードです。このAudigyの中枢にはAudigyプロセッサというものを搭載し、24bit/96kHzのサンプリングビット数、サンプリングレートを実現し、S/N比も100dBという従来のサウンドカードとは次元の異なる高音質なものに仕上げています。

藤本――Live!にもEMU10K1というDSPが搭載されていましたが、Audigyはその後継のチップであると考えればいいのですか?

Sim氏――はい。AudigyプロセッサはEMU10K1の4倍の処理性能を誇るものです。しかし、これはいわゆるDSPではありません。DSPというと一般に汎用のプロセッサですが、EMU10K1もこのAudigyも汎用のものではなく、オーディオ専用のオーディオ・プロセッシング・チップなのです。それだけに、高速にオーディオ処理ができたり、さまざまなエフェクト処理ができるなど他に類を見ないものになっているのです。

また、ご存知かと思いますが、EMU10K1、AudigyプロセッサのルーツとなるのはE-MU SystemsのサンプラーEmulatorです。そのためAudigyはサンプラーとしても、非常に高性能なものとなっており、音楽制作の用途においても強力な武器となってくれます。

藤本――24bit/96kHzのサウンドカード、オーディオカードというものは、これまでもプロ用のレコーディング機材としてドイツやアメリカのメーカーが出していましたよね。Creativeは、このAudigyの登場によって、こうしたプロ用のレコーディング市場に殴りこみをかけたと捉えていいのでしょうか?

Sim氏――そう捉えてもらっても結構です。従来のプロ用機器と比較すると非常にロープライスで提供するので、プロユーザーの方々にも喜んでいただけるものと考えております。しかし、この市場だけではやはり小さなものとなってしまいます。そこでわれわれとしては、もっと底辺にいる一般ユーザーにもこうしたプロレベルのクォリティーを楽しんでいただければと考えているのです。つまり、これひとつで上から下までカバーさせるという発想ですね。
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