DDIポケットのfeelH"が売れていますが、ここに搭載されている音源はGMレベル1対応のPCM音源です。音色数は100音とはなっていますが、基本的GMレベル1の配列であり、最大同時発音数は12音というものです。
しかも、DDIポケットではfeelsound converterというユーティリティを無償公開しており、これを利用することで、一般のスタンダードMIDIファイル(format0)をfeelH"のPCM音源用にコンバートできるようになっています。こうしてコンバートしたデータをfeelH"の端末に添付メールで送ることによって、簡単に転送することが可能なのです。
このfeelH"の着メロ用音源に対し、携帯電話のほうも音源が急速に進歩してきています。中でも普及している音源がYAMAHAのMA2(YMU759)というチップ。これはFM音源16音+サンプリング音というもので、ある意味、数年前までWindowsパソコンで標準であったSound Blaster16に近いスペックといえそうです。
このMA2を搭載した携帯電話はau、J-PHONE、ツーカーそれにNTTドコモと、各キャリアが発売しています。しかし、その中でも注目すべきがNTTドコモを除く3社の動向。実は、NTTドコモ以外はMA2を搭載した携帯電話で共通に使えるシーケンスデータ・フォーマット、SMAF(Synthetic music Mobile Application Format)というものに対応しているのです。
スタンダードMIDIファイルの略であるSMFを想像させるネーミングですが、実際このSMAFもfeelH"と同様にスタンダードMIDIファイル(format0)からSMAFへコンバートするツールがYAMAHAから無償で公開されています。しかも、このSMAFは単なるMIDIデータではなく、サンプリングサウンドも合わせて利用できるため、ボーカルや効果音などレコーディングした音を埋め込むことが可能です。
実際に試してみたところ、いろいろと制限があり、既存のSMFを何でもコンバートできるというわけではありませんでした。そのため、制限を回避したデータをシーケンスソフトを用いて自分でつくり、それをコンバートすることが必要でした。とはいえ、MIDI音源がここまで一般に普及してくると、DTM利用の幅が大きく広がってきそうです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。