●今回初役、初宙乗りの人形振りを勤める芝雀さんは、
「父の前の場の十種香の姫の雰囲気をつなげながらやらなくてはならないので、難しいですね。初日より翌日、その翌日と、少しずつ手に入っていっている感じです。お弟子さん達と協力して準備も稽古もして、あとは舞台でお客様の反応を感じながらやっています。おかげさまで(宙乗りは)やはり気持ちよいし、やっていて楽しいですね(写真下)」との感想だ。
昼の部『新薄雪物語』では、京妙さんはじめ皆腰元として出演している。他の腰元達とは違い、どこか「濃い」空気を醸し出す。弟子とは雰囲気までも雀右衛門さんの影響を受けるものなのかもしれない。
「濃い、ですか・・。やっぱりそうですか」と京蔵さん、京紫さん、京三郎さん、納得するかのように顔を見合わせ、ニヤリ。まんざらでもなさそうだ。
12月は国立劇場でも『彦山権現誓助剣』で、雀右衛門さんを中心に京屋一門が勢ぞろいする。雀右衛門さん、芝雀さんの舞台はもちろん、表となり裏となり大活躍する「濃い」お弟子さん達の活躍も楽しみたい。
中村京妙
ビリビリっと惚れた?お舟の恋心
を参照。
中村京蔵
女方・立役 昭和57年国立劇場第六期歌舞伎俳優研修修了。一門の勉強会「桜梅会」のリーダー格。『鳥辺山心中』お雪で名題昇進。郡司正勝の実験劇『近代能楽集』卒塔婆小町やCM「勘定奉行」でもおなじみ、役柄は幅広い。
中村京紫
女方 昭和61年国立劇場第六期歌舞伎俳優研修修了。『源氏物語』官女で名題昇進。「桜梅会」でも活躍。
中村京三郎
女方 平成10年国立劇場第六期歌舞伎俳優研修修了。同年5月歌舞伎座『野晒悟助』初舞台。
(『かぶき手帖』参照)
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