なぜ、歌舞伎を見るのか

あなたは歌舞伎を見たことがありますか?

外国人のお友達や、ビジネスの取引相手から「歌舞伎につれて行って!」 そう頼まれたら、どうしますか?

ある資料によると「歌舞伎を見たことのある人」は日本国民の、わずか5パーセント程度だとか。……あまりに残念すぎる数字です。

「自国の文化を、心から誇りに思えること」 これは、さまざまな形で、あらゆる国の、あらゆる人々がともに暮らし、多様な価値観とともに共存してく中で、とても大切なことですよね。

歌舞伎は世界に誇れる、超一級のエンターテインメントです

私たちの祖先は400年も前から歌舞伎を愛し、育ててきました。そこには人々の粋、智恵、心がぎっしり詰まっています。私は歌舞伎を見るたびに、「日本人って、こんなにも洗練された文化を育ててきたんだ!」 といつも感動してしまいます。

たとえば、現代では当たり前の舞台機構である「回り舞台」。これも歌舞伎が世界で最初に発明したんです。ちょっと、ビックリすると同時に、誇らしい気持ちになりませんか? 歌舞伎を見るということは、単なる楽しみを越えて、日本文化を見直し、愛するきっかけになるんです。そして、私たちの祖先の心を知ることができます。

大人には、我が子に堂々と日本文化の素晴らしさを伝えてほしい。若い人には外国の友人たちに胸を張って日本文化を自慢してほしい。自国の文化を愛せる人は、他国の文化を尊重することもできる。そんな気がするのです。

少々大げさではありますが、私があなたに歌舞伎を見て頂きたい、一番の理由はそこにあります。


敷居はひくい!

あらたにかいじょうしたかぶきざ

新たに開場した歌舞伎座



歌舞伎の敷居として、一番に思い浮かぶのは値段でしょうか

たしかに一等席は高いです(そこで見られる舞台のレベルを考えれば決して高くないんですけどね)。四月に開場した歌舞伎座こけら落とし公演の一等席は2万円です。ギョッ! 「お試し価格」としては、たしかにキツイ。しかし! 歌舞伎は大衆の娯楽。ちゃんと安くて気軽に見に行ける席があります。

我らが歌舞伎座に設定されている「幕見(まくみ)」です

好きなお芝居1本だけを(歌舞伎はたいてい複数の演目を上演しています)、低価格で楽しむことができるんです。歌舞伎座こけら落とし公演も、幕見なら2000円から見られちゃいます! これなら映画の指定席とほぼ同じ。お試し価格として、納得できますよね。

しかも、こちらは生の舞台。はるか上から見下ろす席とはいえ迫力が違います。そのうえ! 舞台にいるのは日本を代表する名優たちです。

たとえば四月の第二部「弁天娘男女白浪(べんてんむすめ めおのしらなみ、通称“弁天小僧”)」。尾上菊五郎、中村吉右衛門という2人の人間国宝に加え、テレビでもお馴染みの松本幸四郎、実力派の坂東三津五郎、中村時蔵、市川左團次、さらにさらに先日結婚して話題になったばかりの尾上菊之助など、人気役者が顔を揃えます。

この舞台が、たった2000円。ライブで見られるんです。筋書き(あらすじや見どころなどを解説したパンフレット)の1500円と合わせても3500円。

どうですか? 歌舞伎の敷居、私たちが思いこんでいるより、ずっと低いですよね。