絵本/海外の絵本・外国人作家の絵本

しかけと色彩!エリック・カールの絵本(4ページ目)

エリック・カールさんの絵本をたっぷりご紹介します。迫力満点の動物の絵本や、詩的なリズムのある絵本など、どれも読み応え満点です。

執筆者:鈴木 宏枝

リズミカルなわらべ歌『月ようびは なにたべる?』

アメリカのわらべ歌です。

きょうは 月ようび月ようびに なに たべる月ようびは さやいんげんおなかの すいたこ みんな おいで

月火水木金土日と日替わりメニューを動物がおいしく食べています。水曜日にゾウがすすっている「ゾープ」は気になるところですが、これは、カールさんが「soup」と「zoo」をもじって「zoooop」という言葉を作ったもの。ゾウがズズズズーッと飲んでいる感じも伝わってきますね。キツネが「チキン」を食べる、と言ってニワトリをまるごとくわえているあたりはドキッとしますが、食に貴賎なし。そうして私たちも食事をいただいていることを思います。最後は「おなかの すいたこ さぁ たべよう!」でごちそうがもりだくさんの食卓の場面になります。巻末に楽譜もついていますので、ぜひ歌ってみてくださいね。

■『月ようびは なにたべる?』
さく:エリック・カール
やく:もりひさし
出版社:偕成社
出版年:1993/1994.5
価格:2,520円(税込)

創造者の物語『おほしさま かいて!』

「おほしさま かいて!」とは誰の言葉だったのでしょう。その声を聞いて、絵描きはすばらしく大きな星を描きます。星は太陽を、太陽は木を、木は男の人と女の人を……と、求められるままに絵描きは描き続けます。動物、鳥、花、雲や虹。絵描きの筆は、まるで天地創造の神のように、次々に世界を構成するものを生み出していきます。やがて、年老いて、再び求められて描いた星が、絵描きを連れて遠く飛び去るまで。

クリ クラ 蛙の あんよ、アヒルは はだしで あるいてる

幼いころに(当時の)西ドイツに移住したエリック・カールがドイツ人のおばあちゃんから聞いた、ナンセンスな星の絵描き歌をもとにしています。角が8つある、ちょっと不思議な形の星ですが、よくある5角形よりも趣がありますね。この楽しげな歌から、こんな詩的で壮大な絵本が生まれたことに感嘆します。

■『おほしさま かいて!』
さく:エリック・カール
やく:さのようこ
出版社:偕成社
出版年:1992/2004.8
価格:1,470円(税込)

>>動物たちへの問いかけ 『カンガルーの子どもにもかあさんいるの?』『パンダくん パンダくん なにみているの?』
『月ようびは なにたべる?』
ここで購入!曜日ごとに動物たちが違った食事を楽しみ、最後はおなかをすかせた子どもたちがみんなで食卓を囲みます。
『おほしさま かいて!』
ここで購入!「おほしさま かいて!」の声に、絵描きは星を描きます。星が「お日さまかいて!」と言い、お日さまが「木をかいておくれ」と頼みます。絵描きは次々に描いていきます。
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