鯉のぼりの絵本やこどもの日の由来がよく分かる紙芝居オススメ
こどもの日の絵本5選! 端午の節句の由来は?
【INDEX】
紙芝居で行事の由来を知る『なぜ、おふろにしょうぶをいれるの?』
「おふろにくさがいっぱいはいってる」とびっくりしたたろうに、おばあちゃんが、端午の節句の菖蒲湯やこいのぼりの由来を教えてくれます。行事の由来を知るというコンセプトですが、『太陽の東 月の西』の逆をいく異種婚譚から、菖蒲湯の効力が分かります。大蛇の子を身ごもって、具合の悪くなってしまった娘ですが、ショウブとヨモギを入れたお風呂の入ることで回復し、おなかの子もいなくなります。ショウブやヨモギに魔よけの力があること、さらに、滝を登って龍になるコイにちなんでこいのぼりが作られたことが、わかりやすくコンパクトに語られます。大人向けの解説もあるので便利ですし、和を前面に出した大胆な構図で、深みのある絵にもぐっとひきつけられるでしょう。
■『なぜ、おふろにしょうぶをいれるの?』
執筆:常光徹
絵:伊藤秀男
出版社:童心社
鬼婆の苦手なものはショウブとヨモギ『くわずにょうぼう』
蔵にしまってある米がごっそりなくなっているのを不思議に思った男がこっそりのぞいてみると、女房が鬼婆の正体をあらわし、頭のてっぺんにぽっかりあいた口に、次々ににぎりめしを放り込んでたいらげています。仰天した男が別れを切り出すと、鬼婆は男をひっつかんで頭の上の桶に入れ、おなかをすかせた我が子たちのところへ運んでいきます。頭の上に口が開き、どんどんものを食べていくイメージは怖いのですが、赤羽末吉さんの絵だと、不気味なのに深みがあって、決しておどろおどろしくはないのが不思議です。話のコシの強さと、赤羽さんの絵がベストマッチだと言っていいでしょう。実はこの鬼婆はヨモギとショウブが苦手でした。強烈な魔よけの力を持つヨモギとショウブ。5月5日にコレで悪い気を追い払うのも納得です。
■『くわずにょうぼう』
再話:稲田和子
画:赤羽末吉
出版社:福音館書店
雨雲もやっつけろ『こいのぼりこびとのおはなし』
5月5日の朝、空飛ぶマントを着て青空をつくりだしていくこいのぼりこびと。だけど、そこに黒雲が邪魔をしに現れて、こびとは墜落してしまいます。黒雲を追い払うのに、こびとは何を探しに行ったでしょうか。人気の行事こびとのシリーズの中から、<端午の節句>の一冊です。まついのりこさんの水彩の色調も、満面の笑顔のこびとの愛らしさも、とても素敵。実は、こびとの武器は、ショウブの葉でした。『くわずにょうぼう』と同じように、やっぱりショウブには、邪気を払う力があるのですね。
■『こいのぼりこびとのおはなし』
さく:まついのりこ
出版社:童心社
ゆらりゆらりとワニのぼり『ワニぼうのこいのぼり』
ワニぼうのお父さんは、ワニぼうにこいのぼりを買ってきました。まごい1匹ではさびしいので、次の日には、ひごいと小さいこいも。やがて、気持ちよく風に泳ぐ3匹のこいのぼりを見ているうちに、自分たちも「ワニのぼり」をしたくなります。なんとも気持ちよさそうな「ワニのぼり」。率先して始めるのがお父さんワニであるところも素敵です。ワニのぼりを見たほかの動物たちも、次々に「ネコのぼり」「イヌのぼり」をはじめて、みんなでのんびりゆーらゆら。見ているだけで身体がふわふわ浮いていきそう。高畠純さんのちょっととぼけた絵が最高です。おすすめ!
■『ワニぼうのこいのぼり』
文:内田麟太郎
絵:高畠純
出版社:文溪堂
折り紙のこいのぼり、大空に飛び出す『ちいさなこいのぼりのぼうけん』
もも組の子どもたちは、折り紙で1つ1つ個性的な、小さなこいのぼりを作ります。こいのぼりたちは、子どもたちのいなくなった保育室で泳ぎ始め、さらに、そよそよと吹いてくる5月の風に誘われて、もっと広いところに出たくなります。人間の気配のしないとき、おもちゃやぬいぐるみが動き出すのではないかという空想はおなじみですね。折り紙のこいのぼりたちの冒険は、ぶつかりそうになった小鳥たちの交通整理をしてあげたり、雨に降られたり、なかなか波乱万丈です。最初のページでは、もも組の先生が折り紙のこいのぼりの作り方を図解で教えてくれます。家でも作ってみると楽しいでしょう。
■『ちいさなこいのぼりのぼうけん』
作:岩崎京子
絵:長野ヒデ子
出版社:教育画劇
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