3-4 生命保険は定期的なメンテナンスが必要
複雑に見える生命保険も、「主契約」と「特約」に分けてみればとってもシンプルです。更に、保障内容や期間を分けてチェックすれば、実際に商品を選んだり、見直しをしたりする際の勘違いや見落しが防げます。家族構成や収入状況等の変化は、保障内容の過不足に繋がるので、定期的に見直して、常に家族にピッタリの保険に調整しましょう。さらに見落としがちなのが保険金を受け取るときの税金です。いったいどんな税金が課税されるのか、契約内容と併せてチェックしましょう。- 生命保険は主契約と特約の組合せ
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生命保険は、「主契約」と主契約の保障内容を充実させる「特約」との組み合わせで成り立っており、「主契約」について、どのようなときに保険金が支払われるかで「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」の3種類に分類されます。「死亡保険」は、被保険者が死亡あるいは高度障害状態になったときに保険金が支払われるもので、満期保険金はありません。保険期間が一定の定期保険や保険期間が一生涯の終身保険などが該当します。「生存保険」は、契約時に決めた保険期間が満了するまで被保険者が生存している場合に保険金が支払われるもので、個人年金保険や子ども保険などが該当します。「生死混合保険」は、死亡保険と生存保険を組み合わせた保険です。一定の保険期間内に死亡・高度障害状態になると死亡・高度障害保険金が、満期時に生存している場合は死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる保険で、養老保険が該当します。「定期保険特約付終身保険」や「定期保険特約付養老保険」などのように、定期保険、終身保険、養老保険を組み合わせたものもあります。
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- 生命保険のチェックポイントは9つ
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保険はイザと言う時のためのものですから、主契約と特約の内容について、正確に把握しておく必要があります。生命保険のチェックポイントは以下の9点です。
1、病気やケガでの入院・手術に対する給付金額と給付日数
2、死亡(高度障害)時に支払われる保険金額
3、不慮の事故で死亡・高度障害状態になった場合の上乗せ額
4、加入目的を満たしているか
5、誰を対象(被保険者)にしているか
6、誰が契約(契約者)しているか
7、誰が受け取る(受取人)のか
8、保険料はいくらで、いつまで支払うのか
9、保険期間はいつまでか
生命保険会社が契約上の責任を開始する時期(責任開始期)は、申込書に署名捺印した後、「告知あるいは診査」または「第1回保険料充当金の払い込み」のいずれか遅いときからです。尚、契約時に契約者や被保険者が告知義務のある事柄について故意に隠したり嘘をついた場合(告知義務違反)には、契約解除や保険金・給付金が支払われないことがあります。後で泣かないためには正直が一番です。もっと知りたい人はあわせて読もう
- 身辺の変化は保険を見直すタイミング
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年齢や生活状況が変化すれば、必要とする保障内容もかわります。保険を見直すタイミングとしては、以下のようなケースが考えられます。
・結婚や出産、子どもの独立、離婚などによる家族構成の変化したとき
・転職や退職、独立起業などによる収入や社会保障等の変化したとき
・住宅ローンを組むとき
・保険料の支払いが負担と感じたとき
・保険の満期・更新時期
また、見直す方法としては、
・現在の保険を活用して新たな保険を契約する(転換制度)
・死亡・医療保障等の特約を中途で付加する、あるいは別の保険に別途加入して保障内容を手厚くする
・保険金額を減額あるいは特約を解除して過剰な保障を削減したり保険料負担を軽減する
・延長保険や払済保険に変更して保険料の支払いを中止する
・解約する などがあります。見直しの基本は、支払える保険料で過不足のない保障内容の保険に近づけるということです。もっと知りたい人はあわせて読もう
- 死亡保険金にも所得税、相続税、贈与税が
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1月1日~12月31日に払い込んだ生命保険の保険料は、生命保険料控除として所得控除され、所得税・住民税が軽減されます。「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」に区分され、控除額はそれぞれ所得税は最高5万円(合計10万円)、住民税は最高3.5万円(合計7万円)です。保険金や給付金を受け取るときには、「所得税・住民税」「相続税」「贈与税」のいずれかが課税され、保険金・給付金の種類や契約者、被保険者、受取人が誰かによって税金の種類が変わります。例えば、契約者と被保険者が同一の場合の死亡保険金には相続税が、契約者と受取人が同一の場合の満期・死亡保険金には所得税(一時所得)・住民税が課税されます。高度障害保険金やリビングニーズ特約保険、入院給付金のような身体の傷害などに起因した保険金・給付金は非課税です。
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