4‐1 節税のキーワードは「控除」

パート勤めの主婦は10月頃から勤務時間を調整し、サラリーマンは11月末から年末調整のための書類を準備し、12月末に出産予定の妊婦さんは出産日にハラハラドキドキし、主婦は1年間に支払った医療費を集計する、などなど毎年繰り返される風景です。これらの行動はすべて所得税に関係しています。各種控除と確定申告を使いこなせば、所得税は上手に節税できます。

今回のレッスンで知っておきたいポイント

Point1税金って何?

税金とは、私達が安心して健康に暮らせるように活動している国や都道府県・市区町村の費用を賄うために、みんなで負担しあっているお金のことです。日本には所得税や住民税、消費税など約50の税金があり、いろいろな分類方法があります。例えば、税金の納め先によって国税と地方税、税金を負担する人と納める人の関係から直接税と間接税、税額が決定する経緯によって申告納税方式と賦課課税方式、課税対象の大きさと税率の関係から比例税率と超過累進課税、などです。所得税や相続税は、国税・直接税・申告納税方式・超過累進税率の税金、住民税や固定資産税は地方税・直接税・賦課課税方式・比例税率の税金に分類できます。

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Point214の所得控除で節税

所得税は、個人が1月1日~12月31日の1年間に得た所得に対してかかる税金で、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、退職所得、山林所得に分類されます。宝くじの当選金や健康保険の給付、雇用保険の失業給付など非課税の所得もあります。

所得控除は、所得税の負担をなるべく公平にするために設けられたもので、所得から引くことができます。所得控除の額が大きければその分だけ所得税額は少なくなります。人的控除と物的控除に区分され、人的控除には基礎控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除など7つ、物的控除には社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除など7つあります。

Point3節税効果が大きい税額控除

税額控除とは、算出された所得税額から一定の額を控除するもので、所得控除より節税効果が大きい制度です。住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、配当控除などがあります。住宅ローン控除は、10年以上の住宅ローン等を利用して一定の要件を満たす住宅を取得・増改築した場合に、各年末の残高の一定額を所得税額から控除するものです。期間は10年で、平成21・22年入居の場合は、控除総額は最大500万円(長期優良住宅は600万円)になります。所得税で控除しきれない場合は翌年の住民税から控除できます。確定申告をする必要があります。

Point4サラリーマンは年末調整で所得税を精算

給与所得者の所得税は給与等から源泉徴収されています。1年間に源泉徴収された所得税の合計額が1年間に納めるべき税額と一致するとは限らないので、12月に再計算してその過不足を精算する必要があります。これが年末調整です。給与等の年収が2000万円以下の会社員について会社が行います。

所得控除のうち医療費控除、雑損控除、寄付金控除は年末調整では控除できません。これらの控除を受けるには確定申告をする必要があります。また、年末調整後から12月31日までに子供が誕生したり国民年金保険料や生命保険料の控除を忘れたなどで所得控除額が変わる場合も確定申告で精算します。年末調整で納税が終わった人は確定申告の必要はありません。

Point5確定申告で所得税を納める・返してもらう

確定申告とは、1月1日から12月31日の所得とそれに対する税額を税務署に申告し確定する手続きのことです。所得税も確定申告する必要があります。申告期限は、原則翌年の2月16日~3月15日です。

確定申告が必要な人は、不動産の賃貸収入がある人、給与のほかに年金を受給している人、給与の収入金額が2000万円を超える人、2カ所以上から給与を受けている人、給与所得・退職所得以外の所得の金額が20万円を超える人、などです。

確定申告をすれば所得税が戻る人は、年の中途で退職して年末調整をしなかった人、退職所得がある人、配当や原稿料などの収入がある人、給与所得者では医療費控除・雑損控除・寄付金控除などを受ける人や住宅ローン控除を初めて受ける人、年末調整後に所得控除額に変更があった人などです。

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Point6働き始める主婦の行く手をさえぎる4つの壁

主婦がパート(給与所得)で働き始め収入が増えてくると、税金や社会保険(公的年金や健康保険)の負担が問題になります。俗に言う4つの壁です。第1の壁は年収100万円です。これを超えると住民税が課税されます。第2の壁は103万円。これを超えると所得税が課税されるだけでなく、夫が配偶者控除を受けられなくなります。また、夫の会社の扶養手当が支給停止になる可能性があります。第3の壁は130万円です。これを超えると公的年金や健康保険の保険料を負担することになります。第4の壁は141万円で、これを超えると夫が配偶者特別控除を受けられなくなります。世帯の手取り収入に大きく影響するのは、103万円と130万円の壁です。

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